世の中にも、青少年に正しい愛と性を教えようとする数々の教材があります。しかし、それらの多くは、「愛」そのものよりも、「性」について教えるものでした。確かに、荒んだ環境を思えば、十代の妊娠や性感染症などへの予防こそ、まず教えるべき優先課題なのかもしれません。しかし、二世の皆さんが本当に知りたいのは、そこではないでしょう。
また、教会学校の現場でも、至る所で、「純潔」ということが教えられてきましたが、それらの多くは主に、「男女分別」「サタン分別」といった、「堕落論」の観点からの教育であったに違いありません。それは復帰されていない環境から見れば、とても大切なことですが、皆さんが聞きたいことは、もっと本質的で、本来的な愛の話ではないでしょうか。
私は恋愛研究家でもなければ、性教育を教えてきた立場でもありません。ただ、二世教育に携わり、直接、二世たちと交わりながら、愛や性に対する彼らの悩みに触れてきました。また、世の中の価値観と私たちの価値観の狭間にあって思い悩む、二世たちの声に耳を傾けながら、考えさせられ、また気付かされたことが多々ありました。
思春期の二世たちの事情や思いをすべて理解できるとは思いません。また、多種多様な悩みに適切な答えを与えられるとも思いません。しかし、少なくとも、本書が、世の中の価値観に抗い、純潔を守ろうとする二世たちを勇気付け、また、寂しさや混乱の中で、愛の問題に陥りそうになっている二世たちに、何かしら大切な気付きをもたらすものになればと思います。
周囲の環境は、今も、皆さんにこう囁き掛けているに違いありません。「本当に取って食べたら死ぬと思っているのですか? とんでもない。それはあなたの人生を豊かにし、新しい世界に目を開かせてくれるのですよ」。
しかし、どんな愛があなたの人生を豊かにし、周囲に幸せをもたらすのかは、他の誰でもない、皆さん自身が見極めなければならないことなのです。
(『幸せをもたらす真実の愛を学ぶ 二世純潔講座』「はじめに」より)