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2019年06月13日

『世界家庭』2019年6月号
読みどころ紹介②
「八定式」制定30周年記念
「誰よりも苦労する」アラスカ精神で歩んだ7年
水産工場で精誠を捧げた日本人姉妹たちの証し(上)

 「八定式」制定(1989年8月31日)の背後には、アラスカの水産工場で7年にわたって捧げられた日本人姉妹たちの精誠がありました。主に米国人と祝福を受けた姉妹たちは、いつ終わるともしれない魚工場での肉体労働に黙々と取り組み、真の父母様の摂理を支えたのです。そんな姉妹たち約20人の証しを、今号から3回に分けて掲載します。

真の父母様(1989年、コディアクのノースガーデン)



米国50州の代表として集められた日本人姉妹50人


 1983年の秋頃、コディアクの水産工場に、西洋人と祝福を受けたばかりの若い日本人女性50人が集められました。

 工場での仕事は、魚の水洗い、魚の内臓出し、冷凍作業、箱詰め、すじこ作りなど、長時間立ちっぱなしの肉体労働でしたが、「50人は米国50州を代表するんだね」というみ言を力に、若さと信仰のパワーで乗り越えました。

 冬は寒さとの闘いでした。タラを処理する作業は多くの水を使うのですが、作業台から流れる水は凍って、つららになっています。作業は、軍手をはめ、その上にゴム手袋をはめて行います。ナイフを使うため、時にゴム手袋を切ってしまい、冷たい水が軍手にしみ込むこともあります。ぬれた軍手や穴の開いたゴム手袋は次の休憩時間まで替えることができないので、いつもお湯の入ったバケツをそばに置いて、凍える手を温めながら作業を続けました。(真佐子ウイットモア)

水揚げされたハリバットをごらんになる真のお父様



釣りをされるお父様の船は神聖な空気に包まれていた


 1989年9月、真のお父様と一緒のボートで釣りをさせていただく恵みにあずかりました。

 ボートが停止すると、お父様は即座に釣りに集中されます。釣り糸を垂らして、じっと海面を見詰めるお父様。そして釣り糸の引きを念入りに確認されます。海の上のお父様は、ただひたすら釣りに専念されます。その張り詰めた神聖な空気が、ボート全体を包み込みます。

 ボートでの私はひどい船酔いでしたが、それでも釣り糸だけは海に垂らしていました。すると私の糸に引きがあり、私にしてはたいそう大きなアロートゥース(ハリバットと同じカレイの仲間)が釣れました。

 一緒にボートに乗っていたある日本のリーダーが、「お父様、私はあれより大きいのを釣ったことがあります」と申し上げると、途端にお父様が「ええい! 大きいんだよお」と大きな声でおっしゃったのです。そのお言葉に娘をかばうような親の愛を感じて、うれしい気持ちが込み上げてきました。(洋子モウリス)

 

シルバーサーモンを釣り上げられた真のお母様



「何年も待った夫を大切にしなさい」とお父様


 毎年のように真の父母様はアラスカに来られました。ですから工場で働く私たちはそのたびに、真の父母様にお目にかかれたのです。そんな私たちに真のお父様は、「あなたたちよりもっと苦労していても、私に会うことができずにいる兄弟姉妹がたくさんいるんだよ」と言われました。

 アラスカを出るときお父様が、「何年もあなたたちを待った夫を大切にしなさい」と言われ、心配しながら送ってくださったことが忘れられません。

 どのような事情、環境にあっても全く変わらないお父様、どんなに夜遅くなっても報告を聞かれるお父様の実体に侍る機会を、コディアクにいたというだけで与えられ、たくさんの思い出を頂いたことを、心から感謝しています。(克子ホフマン)

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