2021.01.31 22:00
松本雄司氏の
夫婦愛を育てる16のポイント 13
6 男のプライド①
アプリで読む光言社書籍シリーズ第15弾として、「夫婦愛を育てる16のポイント」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
『愛の知恵袋』でおなじみの松本雄司氏が『祝福家庭』誌に連載していた「夫婦愛を育てるために」の書籍版です。男と女の違いから夫婦の愛・夫婦生活に至るまで、ポイントを分かりやすく解説し、まとめています。
松本 雄司・著
男のプライド
二人はもう長いことうまくいかず、家の中がおもしろくないと言います。妻の話を聞くと、「うちの夫はキレやすいんですよ。私が何かちょっと言うと、ムッとした顔をして黙る。もう一言言うと、『うるさい!』と言って怒るんです。こっちも『何さ』という気になるので、ついけんかになってしまうんです」
ということでした。そこで、ご主人に聞くと、少し違っていました。「いや、自分は本当は温厚な性格だと思うんですが、妻の傲慢(ごうまん)な態度や言葉に接すると、ムッとして、つい言葉が荒くなってしまうんですよ。女性なら、もっと丁寧(ていねい)な言い方や優しい態度ができないんでしょうかね……。外では仕事で疲れるのに、家に帰ったら、もっと疲れるんです」
不和の原因
夫婦関係が険悪になる一つの原因は、「相手の自尊心を傷つける」ということです。人間にはどんな人にも、“プライド”があります。夫も妻も相手のプライドを傷つけないように細心の配慮をしなければ、思わぬ衝突を招くことになります。
ところで、女性上位時代とも言われる最近では、夫婦関係がうまくいかない大半の直接原因が、この問題にあるようです。それは、妻が無意識のうちに、「夫の自尊心を傷つけてしまう」ということです。
当然のことながら、男性にも女性にも人間としてのプライドというものがあります。しかし、男性のプライドは、それを超えた“ある特殊な心理”です。この特殊な心理の扱いを間違えると、夫婦関係は一瞬にして険悪になり、破綻(はたん)に瀕(ひん)します。
不幸にも妻が、男性のこの特殊な心理を理解できないか、あるいは無視し続けるなら、その夫婦の葛藤(かっとう)は一生涯続き、また、子供(特に男児)の成長に支障が生じるかもしれません。
母親が強い家庭
一家の中で、母親が強すぎると家庭の秩序がゆがみ、子供の教育にも問題が生じるということはよく知られていますが、厳密に言えば、強い性格自体が悪いのではなく、その強さが男性の自尊心を破壊するときに問題が生じるようです。
「なぜ、夫がいらいらしたり、急に怒りだしたりするのか。理由が分からない」という妻の声をよく聞きますが、それは夫に対する不遜(ふそん)な態度や乱暴な言い方が、デリケートな男性の自尊心をひどく傷つけるからです。
不思議なことに、この「男のプライド」は、一見(いっけん)非常におとなしそうに見える男性にも、しっかりと眠っていて、女性が不用意な言葉を発すると、突如として爆発することもあります。
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次回は、「男のプライド②」をお届けします。