シリーズ・「宗教」を読み解く 6
国連の良心となるべき宗教者の使命

ナビゲーター:石丸 志信

 国連NGO(非政府組織)であるUPFUniversal Peace Federation)が超宗教調和に基づく平和構築のビジョンを打ち出しているのは、創設者のインスピレーションによるところが大きい。それは次のような観点だ。
 世界は一人の人間の姿に似て、心と体からなる。心、すなわち精神世界を代表するのが宗教分野で、体を代表するのが国家や政治分野と見ている。心の思いと体の動きが調和しているのが円満な人間であるように、宗教と国家が調和してこそ、真の意味で世界平和がもたらされる。
 そのような世界になるためには、まず、宗教世界が平和のビジョンを共有し協力していかなければならない。その上で、国々の調和を図るべく叡智(えいち)を結集して、平和に向かう普遍的な価値の提示と愛に基づく実践がなされなければならない。

▲国連の二院制を提案する文鮮明総裁(2000年8月18日、国連本部)

 文鮮明・韓鶴子総裁夫妻は、2000818日に米国ニューヨークの国連(United Nations)本部(「アセンブリ2000」)において、精神世界の指導者たちで構成する上院を設置し、各国の利益を代弁する下院の二院制を編成することを提案している。それは、宗教人たちが、国益を超えて、人類全体の利益を代弁してくれるものとみているからだ。