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スマホで立ち読み Vol.4
『ダーウィニズムを超えて』(6)

 もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
 統一思想研究院が贈る『ダーウィニズムを超えて~科学の統一をめざして』をお届けします。
 ダーウィンの『種の起源』発表から約150年。「進化論」は生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきました。本書は進化論を批判するとともに、「新創造論」としての新たな見地を提言しています。

大谷 明史・著

(光言社刊『ダーウィニズムを超えて~科学の統一をめざして』より)

第一章 進化論を超えて
(二)生物はデザインされたものか

1)キリンの首

 キリンの首はなぜ長いのだろうか。進化論は次のように説明する。キリンの先祖は首はそんなに長くはなかったが、首の長さにばらつきがあった。彼らは争いながら木の葉を食べていたが、首の長いものは上のほうまで木の葉を食べられたから有利であり、首の短いものは不利であった。したがって、首の長いものが生き延びた。すなわち首の長いものが自然によって選ばれたのである。そのような生存競争と自然選択を代々繰り返しているうちに、キリンの首はどんどん長くなったというのである。

 しかし、首が次第に長くなったことを示す中間化石の不在から見て、キリンの首は次第に長くなったという進化論の立場は否定される。さらに、サイエンス・ライターの金子隆一が指摘するように、もっと困難な問題がある。それがワンダーネットと呼ばれる器官の存在である。キリンの首は長いため、血圧は高く、キリンが水を飲むために頭を下げると、重力によって血圧が急激に上がり、脳溢血(のういっけつ)を起こす危険性がある。そこでこれを防ぐために、血が脳に達する部分にワンダーネットという網状の血管が広がっていて、血圧を分散する仕組みになっている。したがって、首が長くなると同時にワンダーネットを備えなくてはならないのである。しかしキリンの先祖において、首の形態のランダムな変化の中から、自然が、長い首とワンダーネットを同時に選び出すというのは、どう考えても無理がある。さらに驚くべきことに、現存するキリンの祖先形の動物であるオカピの脳には、キリンのように首の長くない彼らには必要ないはずなのに、すでにワンダーネットが備わっているという。どうして必要のないワンダーネットがオカピにあるのか、自然選択では説明のしようがない。

 アフリカの草原では、キリンはアカシアの木の葉を食べている。進化論の主張するように、首の短いものは生存競争に敗れて滅びていったとすれば、首の短い動物は、もはや存在していないはずである。しかし実際には、キリン、ジェレヌク、インパラ、キルクディクディクというように、最も首の長いものから、次第に短いものもいて、彼らはそれぞれの高さに応じて、アカシアの木の葉を分け合って食べている。したがって、自然選択によってキリンの首が長くなったのではなく、キリンは初めから首の長い動物として造られたと見るべきである。

 さらに、キリンの首の骨組みはとても頑丈にできていて、雄同士が首でぶつかり合いながら闘っても、首が折れるようなことはない。したがって、短かった首が、上を向いて木の葉を食べているうちに、次第に伸びていったというようなものではありえない。ただ伸びただけの長い首では折れやすいであろう。長い首の骨格に対しては、力学的に衝撃に耐えられるような設計図が必要である。

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 次回(9月9日)は、「(2)目の問題」をお届けします。


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