2020.07.17 17:00
映画で学ぶ統一原理 10
(この記事は『世界家庭』2018年11月号に掲載されたものです)
ナビゲーター:渡邊一喜
『シンドラーのリスト』
1993年。195分。アカデミー賞7部門受賞
自己犠牲的かつ英雄的な生き方が、神様と真の父母様を想起させる
第二次世界大戦の終戦から70年以上が過ぎた。若い世代にとっても、過去の戦争と向き合うことは、社会的、人格的な意味で大切なことである。復帰原理的な観点から見れば、それは「向き合わなければならない」ものになる。復帰摂理における善悪闘争のクライマックスが世界大戦だからだ。
第二次世界大戦は日本の歴史に深く刻まれているが、今回は当時の日本と同じ全体主義を掲げた国家として、ナチス・ドイツに関わる映画を取り上げたい。
1993年公開の「シンドラーのリスト」は、実業家オスカー・シンドラーの功績を小説化したトーマス・キニーリーの『シンドラーの箱舟』(原題)を、スティーブン・スピルバーグが映画化した作品である。
あえてモノクロ映像の表現方法を用い、1994年のアカデミー作品賞をはじめ7部門を受賞した。ハリウッドの歴史の中でも指折りの名作である。あらすじは以下のとおり。
1939年、ドイツ軍の占領下におかれたポーランドが舞台。ナチス党政権下のドイツはユダヤ人を激しく蔑視し、強制移住を始めていた。そのような政治状況下、ナチス党員であったオスカー・シンドラーは、戦争で一儲けしようと軍需工場を買い取り、人件費の安いユダヤ人を雇って経営を始める。
事業は順調に拡大していったが、その一方で、ユダヤ人に対する虐待は激しさを極め、街中でも苛烈な迫害が行われるようになっていった。初めはユダヤ人を商売の道具ほどにしか考えていなかったシンドラーだったが、工場で近く接するうちに、その心境が変化していき、彼らを救う決断をしていくのだった。
クライマックスのシーンは、シンドラーと彼が救った数百人のユダヤ人との邂逅(かいこう)。シンドラーの英雄的決断に深く感謝するユダヤ人たちを前に、彼はある一言を発し、泣き崩れてしまう。
シンドラーの自己犠牲的かつ英雄的な生き方は、摂理における神と真の父母様を想起させ、私たちに深い感動を与えてくれる。それと同時に、全体主義というサタン側の思想の醜さを知ることで、人類歴史の罪の重さを感じさせられるのだ。第二次大戦に対する一つの学びとしても、価値のある映画である。
(『世界家庭』2018年11月号より)
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