家族の絆づくり 116
行動に導く会話

ナビゲーター:阿部 美樹

「すべきこと」「できそうなこと」「できること」は違う
 幸せな人生を実現するためには、第1段階として「目標を明確化」をし、第2段階は「現状と問題点の把握」を行い、第3段階で「可能性を探す」ことが必要です。さらにその次に、「行動計画を立てる」、ことが第4段階です。

 「成功の秘訣は『できるかできないか』ではなく、『やるかやらないか』である!」という言葉があります。さまざま思いを巡らせても、行動しなければ何も実現しません。行動すれば必ず成功するとは言えませんが、行動する人は成長することでしょう。

 行動を決める段階で、「まず、何からやればいいでしょうか?」と質問すると、相手は「〇〇するべきでしょうね」「〇〇しなければならないと思います」と答えることがあります。すべきことが分かっていることは大切ですが、その義務感に押しつぶされ、計画倒れになるかもしれません。

 「すべきこと」と「できそうなこと」と「できること」は違います。

「行動したくなる心」への導き方
 「すべきこと」を明確にしても、何もしないで終わる場合があります。

 「すべきこと」を掘り下げて、「できそうなこと」を引き出すことが必要になります。「じゃあ、〇〇するには、まず何から始められますか?」などの質問で、相手が確実にできることをはっきりさせ、自信を持って取り組めるように働き掛けましょう。

 一つの答えが出て来たとしても、「他の方法はありますか?」「今までやったことがなくても、できそうなことは?」「もし、あなたが相手の立場だったら、どうしてほしいと思いますか?」「他の人は、どうやってうまくいったのでしょうか?」など、できそうなことをたくさん挙げられるように質問します。

 出そろったら、「いろいろプランが出ましたが、どれがいいですか?」「どれから進めたらいいですか?」と、絞り込んでいきます。「できそうなこと」の中から「できること」を明確にしていきます。

 最後は、「すぐにやること」「次にやること」など決めます。その時に大切なことは、「いつまでやるか」ということです。

 時を曖昧にすると、行動せずに時が流れる場合があります。「〇月〇日まで」「1週間以内に」など、期間や締め切りを明確にすると、本気で行動しようとするスイッチが入ります。

 最後に、行動計画に対して、相手が「〇〇までに、〇〇を〇〇します」と、自分自身に約束し、宣言してくれるように導きます。これも指示命令ではなく、相手が自分でやると約束することこそ、相手の成長になります。

 計画を行うのは相手であっても、経過を見守りサポートする必要があります。ですから、「じゃあ、○○した結果を知らせてもらえますか?」と伝えます。相手のモチベーションが高まり、意志が固まれば、目標実現に大きく踏み出していくことでしょう。