シリーズ・「宗教」を読み解く 112
米国聖職者指導者会議(ACLC)の歴史③
「中東平和イニシアチブ(MEPI)」という功績

ナビゲーター:石丸 志信

 米国聖職者指導者会議(ACLC)がこれまでなした功績の一つに中東平和イニシアチブ(MEPI)を挙げることができる。

 21世紀に入った直後、世界戦争の危機をはらむ問題地域として、中東と東アジアがあった。問題の渦中に飛び込んで、最も困難な所から平和のモデルを創ろうというのが、真の父母である文鮮明総裁夫妻の発想であり、世界平和実現のために働く私たちに示された模範だ。

 ACLCに集う米国のキリスト教聖職者たちは、2003年から中東平和のために積極的に中東地域に出掛け、長い歴史の中で怨讐関係となってしまったユダヤ教、イスラームの指導者らと膝を交えて議論し、理解を深める努力をなしてきた。
 互いの共通点を探り、おのおのの伝統の素晴らしさを認め、これまでの互いの過ち悔いてゆるしを請う中で和解を成していった。

 最も重要だったのは、彼らが共に宇宙万物を創造された創造主の願いに立ち返ることだった。さらに、創造主は人類の父母であるとの認識を共有することで、同じ親の心を尋ねて祈り、その心情に触れて涙することができた。そして、互いに敵対感情を捨てて、慕わしい兄弟姉妹だと認め合うことができた。

 そこに至るのは容易なことではなかったが、文総裁夫妻の信念に基づく一貫した指導と、それに呼応する120人の牧師たちの献身的歩みがあったが故に成し得たのである。