2020.04.28 17:00
シリーズ・「宗教」を読み解く 114
米国聖職者指導者会議(ACLC)の歴史⑤
ローマ、エルサレムを巡礼
ナビゲーター:石丸 志信
2003年に入って「十字架から王冠へ」の運動を推進してきた米国のキリスト教聖職者ら120人余りは、同年5月12日~20日、ローマおよびエルサレムの巡礼を行った。
ちょうど復活節に当たり、イエス・キリストの復活の喜びをかみしめながら、聖霊降臨祭(ペンテコステ)を迎えようとする期間だった。
イエスの心情を尋ね、キリスト者として信仰の原点に立ち返るのにふさわしい取り組みだったといえる。
彼らが最初に訪れたのはローマ。言わずもがな、イエスの命によって世界宣教を進めてきた使徒ペトロと使徒パウロの殉教地。初代教会の信徒たちの苦難と犠牲の血涙がしみ込んだ古都。
ローマ・サンピエトロ寺院
使徒たちが投獄された牢獄跡で祈る聖職者たちは、この地で起こった出来事を思い起こし、その伝統を継承した現在の自分たちを見つめ直し、深い悔い改めの祈りをささげた。
信仰の覚醒を促された彼らは、未来に対する希望を得るに至った。そして、神の召命に応える決意を固めた。
イエス・キリストの臨在と聖霊の働きを実感した彼らは、教派の違いを超えてより近しくなり、「キリストの一つの体」を体現することになった。そして、信仰の先祖であるユダヤ教徒との和解のため、エルサレムに向かっていった。