2020.01.13 17:00
コラム・週刊Blessed Life 100
沖縄にかかる中国の黒い雲
新海 一朗(コラムニスト)
沖縄を訪問する中国人が増えています。
その理由の一つに、「沖縄数次ビザ」という発行があり、このビザは何度でも来日できることを認可しているものです。
このビザによって、そのまま帰らない中国人も増えています。中国資本による森林、農地、ゴルフ場などの不動産買収も進んでいます。バックに中国の巨大な網が広がっていることが分かります。
玉城(たまき)デニー氏は、翁長雄志(おなが・たけし)沖縄県知事の死去に伴う知事選で勝利し、知事の座を獲得した人物(前自由党衆議院議員)です。
地元メディアの『琉球新報』『沖縄タイムス』が玉城氏の選挙を露骨に応援していたほどですから、沖縄では圧倒的に支持されています。しかし、玉城氏は安保の基本を知りません。
玉城氏は、改めて辺野古移設に反対の意向を唱えています。玉城氏は、「尖閣などに基地を置くことは相手国(中国)に失礼です」などと語る人です。「家の鍵を閉めるのは泥棒に失礼だ」と言っているのと同じ論理です。
沖縄では、保守陣営も安全保障や米軍基地問題を正面から論じようとしない空気がありますから、これでは、「中国の脅威」を語ることは沖縄ではタブーなのかといった感じです。
普天間基地の危険を除去するために辺野古移設が必要、というまともな議論もできない沖縄県知事では、何を言ってもチンプンカンプンな話になります。
玉城氏の本名は、玉城康裕で、デニーは子供のころからの愛称です。
父親は名前も分からない米海兵隊員で、母親は沖縄の人です。選挙戦では、自分には父の血が流れているから、米国との移設反対交渉には自信があるなどと言って、甘い見通しを平然と語りました。
知事になって、早速、辺野古沖埋め立て承認の撤回をしました。
防衛省は、行政不服審査法に基づく不服審査請求という対抗措置に出ました。玉城知事は、「知事選の民意を踏みにじるものだ」と反発しています。
この様子を見ると、政府との対決は激化しそうです。
こんな情勢に手をたたいて喜んでいるのが中国です。
玉城氏は、国会議員時代、「沖縄に一国二制度を導入」することを主張していました。沖縄を「一国二制度」にし、関税をゼロにして、消費税をゼロにするということを大真面目に主張していたのです。いわゆる、中国が、香港、マカオ、台湾に打ち出した方針です。実行すれば、中国は堂々と大挙して押し寄せてくることになります。まるで、早く中国の領土になりたいと叫んでいるようなものです。
玉城氏は、民主党時代、沖縄ビジョンを出したことがありますが、そこに「一国二制度」があり、東アジア共同体構想をうたい、その中心になるのが中国であるとしたのです。
当時の民主党政策立案者の中に、中国のスパイがいたとされ、その代弁を務めていたのが玉城氏でした。
沖縄はもちろん、日本も中国の配下に入れといわんばかりの、あきれ果てた知事が沖縄に立っています。安全保障感覚ゼロの超おめでたい知事です。亡国の徒です。
首里城炎上にどんな原因があれ、これでは、あの世の沖縄の人々の霊が「中国にのまれるな、共産主義中国ほど恐ろしいものはない」と警告を発しているのではないかと思われます。
首里城で歴史的に行われてきた屈辱的な「三跪九叩頭(さんききゅうこうとう)の礼」は、冊封(さくほう)体制における中国(主人)と沖縄(隷従)の関係を、歴代中国王朝が強要したものです。
歴史的な汚辱に満ちた首里城の炎上は、「中国との悪しき関係を断て」という警告の意味だけが迫ってくるのです。