コラム・週刊Blessed Life 94
生命の神秘

新海 一朗(コラムニスト)

 先端科学は、生命についてどのような見解を持っているのでしょうか。
 無神論科学と有神論科学が見解を異にするのは当然のことですが、今回は、有神論科学の立場に立つ優れた科学者が日本にいることをお伝えしたいと思います。

 筑波大学名誉教授で分子生物学(DNA研究)の権威である村上和雄氏は、「ナイト・サイエンス(Night Science):感性・直観・霊感」と「デイ・サイエンス(Day Science):理性・知性・論理性・客観性」という分け方をして、大きな発見はナイト・サイエンスから生まれるとしました。

 例えば、村上氏は、稲(米)のDNA(遺伝子)情報16000個の解読に、アメリカを抑えて成功しましたが、染色体に遺伝子を書き込んだ存在を考えざるを得なくなり、まさに、そのような存在に遭遇したと確信するに至りました。

 人間の持つ60兆個の細胞の核の中の一つ一つに30億の遺伝子情報があり、しかも調和的に、ダイナミックに、しなやかに機能しているというのです。

 2000億分の1グラムの極小の中に百科事典3200冊分の情報が書き込まれているという驚愕(きょうがく)の事実を前にして神秘的な感動に包まれました。

 そして細胞は予定どおりに死滅し、予定どおりに生まれること、まさしく、死と生がペアになっている(代謝)世界が細胞の世界であることを見つけたのです。

 一体、この遺伝子情報を誰が書き込んだのか。
 村上氏はこれを「サムシング・グレート(Something Great)」と呼びました。

 村上氏は、宇宙の膨大さの中にも目に見えない自然の偉大さを発見するといいます。
 太陽系の半径は光速4時間ですが、銀河系になると10万光年となり、銀河団は100万光年、大規模構造宇宙になると、1億光年にもなります。しかも、今でも、宇宙は膨張しており、一点のビッグバンで始まった宇宙の神秘は言語を絶するものがあります。

 極大から極小に至るまで、世界は驚くべき精巧さと美しさを持ち、かつ、生体の動きが柔軟なのは、背後にそれらの設計者が存在する、すなわち、聖なる偉大な存在が目的を持って世界を造ったからであり、単なる偶然とは思えない、というのが村上氏の見解です。

 さらに、村上氏は続けます。宇宙は生まれて138億年、地球は40数億年、生命は38億年、人類の誕生は10万年前のことであり、科学を発展させてきた人類は、いまだに、一個の細胞、一個の原始生命すら生み出し得ていないと言い、科学は生命について何も分かっていないというのが村上氏の実感です。

 村上和雄氏は、天理教の篤実な信者で、天理教の親神様(天理王命)の素晴らしさを科学の言葉で語りたいとし、サムシング・グレートのメッセンジャーとなりたいと語っています。

 生命をどう見るか。
 最先端の科学に従事した科学者が驚きと感動に包まれて実感した世界を語ったのです。

 極大から極小まで、あまりにも精巧な仕組みで出来上がっている世界が、偶然に出来たというようには到底考えられない、これが本当の科学者の素直な見方であるということです。

 人類は、神を見いだし、神から人類の存在目的の解答を頂く時代にきています。創ったおかたが本当の答えを知っていらっしゃるのです。