シリーズ・「宗教」を読み解く 88
JSLC(ジャパンサミット&国際指導者会議)2019 ②

宗教者の視点で家庭の価値を語る

ナビゲーター:石丸 志信

 10月5日、名古屋市内の会場で開催されたJSLC(ジャパンサミット&国際指導者会議)2019では、午後に二つのセッションが開かれた。

 第1セッションの主題は「東アジアの平和と日韓米連携の展望」、第2セッションの主題は「少子化と多文化社会~家庭の再生と社会の創生」。

 第1セッションでは、日韓米の現職元職議員に加えてネパールの元副大統領の、4人がスピーカーとして登壇。熱いパネルディスカッションが展開した。

 第2セッションでは、「日本の少子化対策の課題と展望」について、日本人元議員が行政の観点で発表し、「韓国における低出産の現状と課題」について韓国の研究者が発表した。
 二人の発表を受けて、教育実践家と、ドミニカ国のカルヴァン・エドワード・フェリクス枢機卿が宗教者の観点からコメントした。

▲カルヴァン・エドワード・フェリクス枢機卿

 カトリック教会は、1965年に閉会した第二バチカン公会議以降、現代社会において取り組む重要な課題として「家庭」を取り上げており、家庭は愛を育む最初の学校であり、キリスト者の家庭はその模範となるよう奨めている。

 カリブ教会会議の議長を務め、バチカンの家庭評議会委員でもあった枢機卿は、宗教的知見に立つ家庭観と司牧実践の経験に基づくコメントを簡潔に発表した。