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スマホで立ち読み Vol.2
『よくわかる勝共理論』(1)
はじめに

 「スマホで立ち読み」コーナー第2弾で取り上げたのは、大好評の動画コンテンツ「ほぼ5分でわかる勝共理論」でもおなじみの中村学氏の『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために』です。混迷する時代の今だからこそ、しっかりと読んでおきたい一冊。
 すでに読んだよというかたも、まだ読んだことがない、知らなかったというかたも、みんな立ち読みオーケーです。
 『よくわかる勝共理論』は第1章から第2章までをご紹介する予定です。

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中村 学・著

(光言社刊『よくわかる勝共理論』より)

はじめに

 かつて日本では、多くの人々が共産主義の脅威を身近に感じていました。一九六〇年には、日米安保条約の改定に反対する左翼勢力が国会周辺に集結し、数十万人規模のデモが行われました(安保闘争)。六九年には東京大学の安田講堂を学生らが占拠、機動隊に火炎瓶を投げるなど激しい闘争を展開し、七六七人が逮捕されました(東大紛争)。事態を重く見た佐藤栄作内閣(当時)は、同年の東京大学入試の中止を決定しました。

 国際社会では、ソ連を中心とする共産主義陣営が勢力を急速に拡大させていました。アジアでは北朝鮮に続き、ベトナム、ラオス、カンボジアが共産化されました。「次は日本ではないか」と考える人も少なくありませんでした。

 ところが一九九一年にソ連が崩壊して東西冷戦が終結すると、この認識は大きく変わりました。ソ連からは十五の国が独立し、周辺の国々も次々と民主化を果たしました。共産主義国家は地上から一掃されるかのようにも思えました。

 日本国内でも、「日本の共産化」を信じる人はほぼいなくなりました。日本共産若者離れが顕著となり、党の最大の課題は「日本の共産化」から「党員の高齢化」に変わりました。今や機関紙の「しんぶん赤旗」ですら、党員の高齢化で配達がままならない状況です。

 こうした情勢の変化から、「共産主義の脅威」を訴えることは時代遅れであると考えられるようになりました。

 しかし、この認識は誤りです。共産主義は依然として日本の最大の脅威といえます。日本の周辺に厳然たる共産主義国家(中国、北朝鮮)が存在し、地域の安定を著しく脅かしています。国内でも、共産主義思想は形を変えて活発な活動を行っています。そして、家庭や社会の秩序を言葉巧みに破壊し続けています。

 ではなぜ、こういう状況になってしまったのでしょうか。ソ連が崩壊したにもかかわらず、あるいは日本共産党が伸び悩んでいるにもかかわらず、なぜ日本は共産主義の脅威にさらされているのでしょうか。

 私はこの最大の原因は、民主主義陣営が「共産主義の脅威」を適切に理解できなかったからだと思っています。共産主義思想の根底には怨(うら)みや憎しみがあります。そして、共産主義はただの思想ではありません。明確な社会観、世界観、歴史観、そして実践的哲学を持つ壮大な理論体系です。ただ批判するだけでは、克服できません。明確な体系的理論が必要です。

 それが「勝共理論」です。勝共理論は共産主義に反対するだけでなく、その誤りを指摘、批判し、その代案をも提示しています。

 本書では、共産主義の骨子である、共産主義唯物論、唯物弁証法、唯物史観、資本論の間違いをできるかぎり分かりやすく解説してみました。共産主義こそ根本的に間違った思想であることを理解していただきたいと思います。

二〇一九年一月

著者

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 次回は、「共産主義による脅威」をお届けします。


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