青少年事情と教育を考える 63
県レベルで中高生のネット断ち合宿

ナビゲーター:中田 孝誠

 静岡県は今年2月、ネット依存症の傾向がある中高生を対象に、スマートフォンを断つための合宿を行うと発表しました。
 都道府県レベルでは、これまで兵庫県や秋田県などで行われていて、5例目になるということです。

 このうち、兵庫県では昨年、「人とつながるオフラインキャンプ2018」として、ネット依存傾向がある青少年を対象に、瀬戸内海の島にある県の自然体験センターで夏休みの4泊5日、11月にフォローアップキャンプを企画しています。
 内容は、自然体験活動、認知行動療法による日常生活の振り返り、参加者の個人面談・家族会などを行っています。

 秋田県でも昨年、体験活動や認知行動療法などを取り入れた宿泊体験プログラムによって、基本的な生活習慣を見直すというフォローキャンプを打ち出しています。
 対象は小学校高学年から中学生です。体験活動は料理作りや七宝焼き、ドラム演奏などです。(兵庫県、秋田県ウエブサイトより)。

 ネット依存を疑われる中高生は、国の調査では約93万人、自治体でも数千人前後います。国レベルでは国立青少年教育振興機構が文部科学省の委託を受けて8泊9日のキャンプを行っていますが、地方自治体レベルでも今後こうした対応が増えていくことが予想されます。

 ネット依存対策は海外に比べて日本は遅れているともいわれています。青少年のための対策が急がれます。