子育て道しるべ 19
高校生女子・子育て体験記

(APTF『真の家庭』165号[7月]より)

座間 保裕

 今回は既に大学生になっている女子の高校時代の様子を振り返って、子育て体験記をまとめてみました。

夢をもつことの大切さ

 人生で最も多感な時でもあり、中学とは違って将来の夢に向かって具体的に取り組む時期がまさに高校生となります。その時既に将来の夢が定まっていたことは感謝でした。それとともに、中高生時代につきもののクラブ活動に対する取り組みも平行してありました。これを通じて、多くのことを学び、夢を実現していく大きな手助けになっていたことを感じます。

クラブ活動の厳しい訓練

 長女の場合は、音楽が好きで中学も高校でも吹奏楽を続けましたが、入った私立高校は全国大会に出る程の熱心な吹奏楽部でした。練習漬けの日々で、土・日・祝祭日は全て練習、夏休みも一週間、冬休みも10日間と本当に休む暇もないクラブ活動でしたが、その分多くの訓練を受けたと思います。

①先輩・後輩の規律正しい人間関係は、長幼の序を身につける良い訓練でした。

②男女交際が見つかったら退部。スカートが短いのも禁止。身だしなみ、髪の毛も清楚にすること。

③友人の悪口を言ったら退部。みだらな雑誌、サイトを見ることも禁止。

 このような規律の中で当然やめていく者もいますが、長女の場合は高三まで見事やり遂げました。クラブで風紀が乱れ、成績が下がるという話もありますが、全く逆でした。

勉強とクラブの両立

 いつも、どこでも勉強とクラブの両立は課題になりますが、娘の場合はその点、学校の先生全体が勉強とクラブの両立を推進する校風と環境にいたので良かったと感謝しています。たとえば、成績が悪くなると吹奏楽部の指導先生から呼び出しがあり、成績が上がるまではクラブ中止命令が出され、回復したら戻れるというようになっていて、学力指導においては実に先生方の連係プレーがうまくできていました。

進路の決定は出会いから

 娘は今、看護短大に入学し、将来は看護師を目指し勉強しています。なぜ娘がその道を目指したかというと、高校3年生の担任の先生が、看護が専門の先生であったことによります。実に人生というのは人との出会いであるとつくづく感じます。推薦入学で入る道があったので、とんとん拍子で念願の大学に推薦入学できました。推薦基準は評定平均値が4.0以上でしたから、激しいクラブ活動をしながら、その水準の学力基準を維持したことは娘ながら立派なことでした。

女子教育について

 思春期の真っ只中にありながら、このように成長できた背景に、母親が常に娘に寄り添って成長してきたことがわかります。なぜならば、娘の学校での様子をつぶさに把握していたからです。このように、この時期は先輩・後輩の関係性だけで育つのではなく、夫婦の姿、父母の姿、先生の姿など多くの人格と愛情に触れて育つのが理想的であると思います。

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