子育て道しるべ 18
中学生期の子供(2

(APTF『真の家庭』164号[6月]より)

須永孝子

親が子育てを振り返る時

 中学生の時期は、「家庭の中での自分」「学校の中での自分」「友達の中での自分」「異性と自分」を見つめ考える時であり、アイデンティティーを見いだす時期でもあります。そんなデリケートな時期、親はどのように接したら良いでしょうか? まず、親は今まで自分がどのように子供に接してきたか振り返る必要があります。

 そのためにまず子供と向き合って、自分の子供の姿を見ながら、いつも生き生きして、強い心を持ち、時にしなやかさを持って生活しているのか? そのような子供に育ててきたのかをみつめ直すことが大切です。

 「勉強しなさい!」「親の言うことを聞きなさい!」と叱ってはいなかっただろうか? 「まじめでおとなしい子供」という枠を子供に押しつけていたのではないだろうか? 親の考え、事情を押しつけ譲ろうとしない親ではなかったか? このような小学生にするような接し方を中学生になった子供にすると、子供はありのままの自分を大切に思える気持ちが持てなくなり、自信のない子供となり、不満などが鬱積する子供になってしまいます。そしてそのような子供は時に「むかつく」気持ちから家庭や学校で、はけ口として攻撃的な行動を取ったりします。子供はよく「親は私のこと少しも分かってくれない」「自分のことは自分が一番よく知っている」と言います。しかし子供自身も「自分は何を考え、何をしたいのか」分からなくて悩んでいるのです。

親がそっと子供の自立の手助けを

 自分を知るために「自分探し」をし、「自分らしさ」「自分に自信を持つ」「自分を大切に思う」心を養うことが大切です。それを親がそっと手助けすることができると良いですね。

 親は子供が「自分は尊い存在だ」と思えるように、例えば名前を付けた意味や生まれたときの様子や親の気持ちを何回も伝えることが大切です。また「誇りと自信をもつ」ためにどんな些細なことも褒めてあげる。失敗してもあきらめないで色々なことにチャレンジする心をそっと押してあげて下さい。

 自信を持っている子と持っていない子では、いろいろなことに取り組む意気込み、やる気が違います。自信のある子は積極的になります。このように子供の自立心を育て、子供の個性や特性を引き出していくには、忍耐心が必要だと言われますが、親自身が忙しく余裕のない生活ですと子供の心がよく分からなくなってしまいます。また子供のことで悩み、自信がなくなったりするとさらに良くないですから、親自身が自分に自信をもって、楽しいハリのある毎日を送ることが大切です。

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