青少年事情と教育を考える 46
「ライフデザイン教育」

ナビゲーター:中田 孝誠

 近年、高校生をはじめ若者を対象にした「ライフデザイン教育」(または「ライフプラン教育」)と呼ばれる教育を多くの都道府県が実施しています。
 結婚と出産、家族を持つことの意味など、自分の将来を考えさせるというものです。

 例えば山形県では、若者たちが家族の意義を理解し、自分を見つめ直して、より良い人生設計ができるようにすることを目的に、セミナーを開催しています。
 この中で「結婚生活への希望」や「結婚して子供ができたらパートナーにやってほしいこと、やってあげたいこと」などを参加者同士で話し合うということです。

 秋田県では、高校の家庭科副読本を作成。「将来、自分自身で新たな家族をつくっていくことに思いをはせたことがありますか。親にとって子供はどんな存在でしょう」「『自分の結婚』について考えてみましょう」と問い掛けています。

▲渋谷の街を行き交う若者たち

 こうしたテキストは多くの自治体が作成しています。
 その主旨は、結婚や出産、職業はあくまで個人の選択であることや、出産に適齢期があることなども踏まえて、若者に将来の生き方をしっかり考えてもらおうというものです。

 自治体がライフデザイン教育に取り組む背景には、少子化の問題があります。そのため、テキストの中では都道府県内の結婚事情や産業事情、文化や自然なども紹介しています。

 文部科学省でも推進委員会を立ち上げ、若者たちが進路選択の際に、就職や結婚、出産などのライフイベントを含めて総合的に考えられるようにすることが重要、と提言しています。