2019.01.09 17:00
家族の絆づくり 48
「減点主義」と「加点主義」の二つの物差し
ナビゲーター:阿部 美樹
不満と後悔と不安になる物差し
人生とは、同じ出来事でも見方の違いで全く違った解釈ができます。
病気は一般的には「災いの象徴」ですが、見方を変えると幸せへのきっかけになる場合があります。
例えば、病気をしたことで身体を大切にするきっかけになり長生きできたとか、病気を通して家族の有り難みを感じて家族関係が良くなったなど、場合によっては「幸いへの呼び水」になるということです。
凡人は現在の状況に対しては「不満」を感じ、過去に対しては「後悔」し、未来に対しては「不安」を抱えがちです。それは、物事に対して足りない点、できない点、難しい点から見つめる「減点主義」の物差しが影響します。
人に対しても減点主義で見つめると、課題や欠点、問題点が次々に見えてきて人物評価も低くなりがちです。
家族に対しても、減点主義で見つめると、相手の課題を改善させようとして、つい要求の思いが湧いてきます。
感謝と教訓と希望に導く物差し
減点主義で物事を見つめると、「何が問題なのか」「誰が問題なのか」という問題探し、犯人捜しをする傾向があります。
それよりも、物事の「良かった点」「優れている点」「可能性のある点」に注目する「加点主義」で見つめた方が前向きな心を育むことができます。
個人の能力や企業の成長においても、欠点をなくすよりも、長所を伸ばすことに集中した方が、短期間で、効率的に向上することでしょう。
加点主義の人は、現在に対して「感謝」することを心掛け、過去に対しては「教訓」として大切にし、未来に対しては「希望」を持ち続けることができます。家族に対しても、足りないところを見つけたとしても「良い」ところを探し、失敗したとしても「成功」を信じ、不安になっていたら「共感」して支えていく姿勢となることでしょう。
「減点の色眼鏡」を「加点の色眼鏡」に換えてみましょう。