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続・夫婦愛を育む 24
後悔は己を縛るだけでなく、他者をも縛る

ナビゲーター:橘 幸世

 Blessed Lifeの人気エッセイスト、橘幸世さんによるエッセー「続・夫婦愛を育む」をお届けします

 “後悔”って厄介です。出てこなくてもいいのに、不意に頭をもたげて、いつまでもついてくる。

 あの時もっとこうしていれば、あんなことを言わなければ、なんで気付かなかったんだろう、などなど…。
 後悔への処方箋があれば、どんなにいいことでしょう。

 「その時はその時で精いっぱい頑張っていたのだから」「悔やんでも仕方ない、これからできることをやろう」などの言葉は助けになりますが、厄介な思いが消えてなくなるわけではありません。

 せめて、後悔がもたらす負の影響は知っておきたいものです。

 久しぶりにミッチ・アルボムの本を手に取りました。
 20年ほど前に出版されたベストセラー『天国の五人』の続編、『天国で会う次の人(原題:The Next Person You Meet in Heaven)』です。

 霊界に旅立った主人公が五人の人物と出会い、自分の人生を振り返ります。五つの出会いを通してもろもろの感情を整理して、天に昇っていく物語です。

 心に染みる言葉にアンダーラインを引きながら読んでいます。
 以下はその中の一つ、主人公の母親の言葉です。

 「後悔のあまり、私たちは物事がきちんと見えなくなる。自分を責めて、自分に厳しく当たる。でも、同時に他の人にも厳しくなってしまっていることに気が付かないでいる」

 主人公の母親は、離婚し一人で娘を育てます。
 ある日、8歳の娘を遊園地で一人で遊ばせて、自分は軽率な行動をしていました。娘は遊具の事故により、左手首切断という大けがをします。

 母親は自責の念に駆られ、もう二度と過ちを犯すまいと、住む場所を変え、娘を最優先し守ろうとする生活を始めます。が、それが娘を縛り、娘の生活をみじめなものにしていることに気付きません。

 自分への愛情と後悔・自責の念からそうしていると知る由もない娘は、高校を卒業すると家を出て、母との連絡を絶ちます。

 母娘が偶然再会した時には、母はがんに侵されていました。
 娘は献身的に看病しますが、二人の会話はぎこちなく、互いに本心を語れないまま、母は旅立ってしまいます。

 やがて主人公自身が霊界に行った時、彼女の前に母親が現れ、母娘は心の奥底に秘めていた思いを明かし合い、和解するのでした。

 願わくは、そんな心の解放は地上にいる時になしたいものです。

 幸い私たちは信仰の道にあり、さまざまな導きを受けられます。
 神様に祈り尋ねれば、見えずにいたものがきちんと見えるようになり、この母娘のように長い間葛藤することなく、前に進めることでしょう。

 不足だらけの歩みと振り返りつつも、それでも生かされて今ここにいること、天に許されていると感謝して、時々出てくる後悔によしよししながら、進んでいけたらと祈ります。


 橘幸世氏の書籍はこちらから。
夫婦愛を育む魔法の法則

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