2025.03.05 17:00
女性の立場から見たレダ 15
『世界家庭』に掲載された飯野絢子(あやこ)さんの証しを、毎週水曜日配信(予定)でお届けします。
飯野貞夫・天一国特別巡回師(777家庭)の夫人・絢子さん(2024年10月聖和、享年86)は、飯野巡回師と共に2008年から4年間にわたってレダ(パラグアイ)に滞在し、開拓にいそしむ日本人国家メシヤたちを支えました。そんな絢子夫人のレダでの歩みを紹介します。
お父様に養殖のパクーを一口でも食べていただきたかった
777家庭祝福のとき(1970年10月)、真のお父様は、「先生の第一次七年路程を一緒に歩んでくれたから……」と言われました。さらに「きょうからあなたたちのメシヤは先生じゃないよ」とも語られました。夫には妻が、妻には夫がメシヤとなるという意味だと思います。
私にとっては文字どおり、夫は飯野(メシヤ)でした。飯野(メシヤ)は私に未来を予言するような一言を投げ掛けていました。「普通の家庭のようには行けないよ」と。兄弟姉妹たちと同じような道は待っていないという意味です。そのごとくの人生でした。
レダ摂理を行く中でも、夫はレダ現地と支援側(日本)の両方の責任を持つ立場を通過してきました。そこには、経験した者でなければ決して理解できない難しい世界があり、夫は言うに言えない心情圏をたどることになったのです。真の父母様の全生涯は「忍」であったのではないかと思われ、しみじみと真の父母様が慕わしいのです。
真のお父様の肺腑をえぐるようなみ言が忘れられません。
「私には何も自慢するものがありません。……何もかもが悲惨でした。私には悲惨な話しかありません。……悲惨を克服して生き残った人間です。……悲惨な激戦を戦い抜いて残った人です」(「蕩減の歴史的基準」1980年7月1日)
2012年2月15日の明け方のことです。どんなに遅く就寝したとしても、目覚まし時計なしで起床できる私でしたが、4年間のレダ滞在期間中、唯一この日の朝だけ訓読会に少し遅刻しました。真のお父様と夢で出会っていたのです。
場所は水澤里(ステンニ)。白いシャツ姿の食口たちがあの古い会場に密集していて、正面には真のお父様が立っておられました。お父様の祈祷を待つ雰囲気なのですが、一言も発せられません。私は目を開けてみました。じっと私を見詰めておられるお父様にドキリとして、また目を閉じました。それでもお父様はまだ無言のままなので、もう一度目を開けて見たとき、お父様が私に向かって一言、こうおっしゃったのです。「いい子だ」。私にとって重い一言になりました。同年9月3日(天暦7月17日)午前1時54分、真のお父様は聖和されました……。
あのとき、真のお父様は、あのレダでお別れをしてくださったのかと、表現不可能な思いになりました。
聖和されたそのときも、その後の数年間も、私には一粒の涙も流れないままでした。それどころか、「弔い合戦だ!」という強い思いに駆られて、現在に至っています。
母の国、日本の責任使命をかけて立つことを願われた国家メシヤたちです。「日本は失敗した。基盤がない」(1999年9月26日、オリンポ)とはっきり言及された真の父母様の一言を決しておろそかにはできません。
「真のお父様に養殖のパクーを一口でも召し上がっていただきたかった!」というのが、私のささやかな、かつ切実な願望ですが、もうかないません。お父様の悲願であった魚の養殖を、神の国実現のための手引きの一端にして前進したいと願っています。
今年(2017年)1月7日、東京・渋谷の松濤本部で日本人国家メシヤの新年礼拝が行われました。記念説教で宋龍天(ソン・ヨンチョン)全国祝福家庭総連合会総会長(当時)が、「2015年、統一教会から家庭連合に名称変更がなされたその背後には、困難なレダ摂理を担ってきた国家メシヤの皆さんの精誠があったからです」と語り、感謝の意を表明されました。続いて、レダから一時帰国していた中井重幸さん(セネガル国家メシヤ、1800家庭)が挨拶に立ったのですが、涙、涙で言葉が出ませんでした。集った180人の参席者が一様に胸を熱くした瞬間でした。
レダで過ごした期間は、人生の中で最も濃い歩みでした。「僕(しもべ)の僕」以下から始まる縦横の公式路程を上るための密度の濃い期間でした。一切寄り道できない、逃げ隠れもできない、深刻な日々でした。
祝福後、家庭を出発してからも、なぜか離れ離れで歩まざるをえなかった私たち夫婦でしたが、この時だけはいつも一緒でした。どこにあっても、夫婦は車の両輪であり続けなければと、常に思います。これは真の父母様から学ぶ最大の賜(たまもの)の一つだと思うのです。
「あなたにとってレダとは何か」と問われれば、「郷愁」の一言が全てです。
이것도 감사、저것도 감사(イゴット カムサ、チョゴット カムサ/これも感謝、あれも感謝)。
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「女性の立場から見たレダ」は、今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。