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制作の舞台裏から 90
37年の時を経て明かされる『アボニムの少年時代』の制作秘話

 今回紹介したい映像作品は、1987年に制作された『アボニムの少年時代』である。
 真のお父様(文鮮明〈ムン・ソンミョン〉師)の誕生から15歳までの歩みを劇画化したもので、幼児や小学生だけでなく、全ての人に見ていただきたい作品である。

 この作品は37年前、当時私が所属していた「ワンワールド・プロダクション」が制作し、VHSビデオ作品として販売されていたが、編集に携わった者の一人として、当時を思い出しながら、その制作の舞台裏を紹介したいと思う。

 最近ではデジタル技術が発達し、スマホ1台あれば、撮影から編集、そしてネット配信までを行える便利な時代になった。
 しかし当時はアナログ全盛時代である。映像編集機器も大型で、編集するには専門の知識が必要であった。
 私は、編集機器に囲まれた「コックピット(操縦室)」のような作業環境の中で、日々の編集業務を行っていた。

▲ワンワールド・プロダクションの第1編集室

 この「アボニムの少年時代」の制作は、台本(絵コンテ)に基づき、社内で作画を行い、紙に描いた絵をビデオカメラで11枚撮影した。
 その際は、各シーンに合わせて適切な動きズームやパンニングを加えて撮影した。

 続く編集作業では、その撮影した映像を台本の頭から紙芝居のようにつないでいく。
 各シーンの長さ(尺)は、セリフの長さと適切な余韻(間)を加えたものとなる。
 その際にタイトルやテロップ文字も必要な箇所に入れていく。従って映像編集が終わった段階では、音声は一切入っていない。

 この作品の監督・演出は、かつて映画監督を経験していた者が担当したこともあって、出演する声優もプロに依頼した。またBGMや効果音の作成などもプロが担当している。

 特に真のお父様の少年時代の歩みを情感豊かに伝えるために、劇中で流れるBGMは全て作曲依頼をした。
 これらの台本と音声の入っていない編集済みの映像は、声優や音楽担当者にも事前に手渡され、準備を進めてもらった。

 さて、アフレコの当日は、声優78人を録音スタジオに迎えての収録となった。
 スタジオ内には2本のスタンドマイクが設置され、台本の頭から順にセリフの収録をしていく。

▲ワンワールド・プロダクションの録音スタジオ(1980年代

 各シーンでは、それぞれの役を演ずる声優がマイクに近づきセリフを話す。セリフが終わるとさっと後ろに引き、次の声優がマイクに近づきセリフを話す。
 このように2本のマイクの前で78人の声優が「入れ代わり立ち代わり」しながら、そのシーンを一気に収録していく。

 特に圧巻なのが声優による「ガヤ」の収録の様子である。
 「ガヤ」とは、メインの人物が話している背後で聞こえてくる雑談や群衆の話し声などである。

 メインのセリフを担当する声優はマイクに近い所で話し、そして残りの声優全員がマイクから2メートル前後離れたところで、「ガヤ」を演ずる。
 セリフとガヤが重なって収録されるが、メインのセリフもしっかりと聞こえ、「ガヤ」もちょうど良い音量バランスで収録されている。
 「さすがはプロ!」。実に見事である。

 「アボニムの少年時代」で、「ガヤ」が入っているシーンは以下のとおりである。

・本編239
「金鳥」が飛んでくるシーン
・本編609
「いじめっ子と戦う」シーン
・本編915
「川でうなぎを捕る」シーン

 また、BGM担当者は、事前に台本と映像を見て、その物語の感情的な流れを音楽で表現する。
 BGMの挿入箇所や曲の長さ(尺)を確認した上で作曲に臨む。
 この作品のために作曲したので、視聴者は、流れるBGMを聞きながら、物語に次第に深く引き込まれていくのだ。

 『アボニムの少年時代』は好評につき、5年後の1992年には『アボニムの青年時代』が制作され、『アボニムの少年時代』と合わせた2巻組VHS作品として販売された。

 この2本の映像作品は、U-ONE TVで視聴することができる。ぜひ2本続けてご覧いただきたい。
 教会内外を問わず、全ての人の心に感動を与えることのできる作品である。

(T)


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