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【B-Life『世界家庭』コーナー】
フィリピン便り⑦
女性の存在の大きな国

 2010年から2011年まで『トゥデイズ・ワールド ジャパン』に掲載された懐かしのエッセー「ハロハロ フィリピン便り」を、特別にBlessed Lifeでお届けします!

 筆者のトゥパス サチコさんは、3億6千万双のフィリピン・日本家庭です。

※ハロハロとは、タガログ語で「混ぜこぜ」を意味する言葉。フィリピンの代表的なかき氷デザートを指す。

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 フィリピンに来て、人によく聞かれるのは、「兄弟は何人なの?」です。

 私が、「三人兄弟で一人娘よ」と答えると、

 「本当に!? じゃ、お母さんや家族は悲しんでいるでしょう?」

 驚くと同時に、何とも言えない切ない表情を何度もされました。

 私は、その反応に「どうして悲しむの? 3人もいるのに!」と、意味が分かりませんでした。

 このようなことを、17歳から20代前半の姉妹たちに言われるのです。その姉妹たちは、まるで自分にも娘がいるかのように話してくるのには不思議な感じがしました。

 もちろん、日本で言われたことはありますが、年齢層が違います。だいたい子供をたくさん生んだ50代以上の女性からです。

 フィリピンでは、女の子が生まれると、とても喜ばれるということを聞いたことがあります。もちろん男の子でも喜ばれますが、女の子に対する特別な期待があるようです。

 ですから、兄弟に女の子が少ないことが切なさの一つであると分かりました。

▲親戚の姉妹

 フィリピンは女性が強い、女性はよく働く、女性の社会的地位が高い国だとよく耳にします。

 確かに、女性の大統領が出る国ですし、公務員も女性が多いようです。意見の主張をするときも女性のほうが断然強く感じます。また、家族を支えるために、海外に出稼ぎに行く率が高いのは女性です。

 この国にとって、また、フィリピンの家庭にとって、女性の存在が内的にも外的にも大きな影響があることを知り、そのことをより神様の願う本質的なものにしていくことの大切さを感じました。

 自分が、この国で何ができるか模索中です!

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(この記事は、『トゥデイズ・ワールド ジャパン』2011年3月号に掲載されたものです)