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新米ママのありのまま 54
女帝と暴君に挟まれ、愛される術を知っている真ん中っ子

(APTF『真の家庭』295号[2023年5月]より)

 APTFの機関誌『真の家庭』で好評連載中の「新米ママのありのまま」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。

フリーライター みはる

 慌ただしい年度始めが過ぎ、新1年生になった長女は少しずつ学校に慣れてきました。ゴールデンウィークが明ける頃、今度は次女が満3歳で長女が通っていた幼稚園に入園します。その幼稚園では週1回、制作をしたり、リトミックをしたりする親子教室があり、昨年1年間通っていました。通い慣れた場所に毎日行く事になるのでそれほど不安はありませんが、初めのうちは、ママが一緒にいないことに寂しさを覚えるかもしれません。幼稚園バスで通うことになるので、バスに乗る前に行きたくないと泣きつくか、すんなり乗ってくれるかどうか……。毎年バスの中で大泣きする子を見るので、うちの子も慣れるまでは大変なのかなと考えてしまいます。

 次女は、女帝の長女と、1歳にして既に暴君の長男に挟まれているからか、どうすれば上手く愛情をもらえるか知っているように見えます。例えば、長女は何かしたいことや、やってもらいたいことがあると「動画みたい」「お菓子ほしい」と言うのですが、次女は「動画みていい?」「お菓子食べていい?」と聞いてきます。また、イヤイヤ期だからか、食べよう、着替えようと言っても一度はイヤと言うのですが、もう1回言うと素直に食べる、着替えると言います。親の要望を素直に聞き入れてくれるので、手がかからないです。

 少しずつ言葉を覚えてきた長男が「ママ、パパ」と言えた時に、大袈裟にすごいね!と誉めると、次女も「ママ、パパ!」と言って、自分も上手に言えることをアピールしてきます。更に、最近ほっぺにチューをすることを覚えて、小声でママと呼んでは、ほっぺにチュッと唇を当ててきます。愛情表現豊かで、嬉しそうに目を細めて満面の笑みを浮かべ、「ママ〜」と言いながら抱きついてくるので、「可愛いね〜」と抱きしめるともっと喜んで「ママ、すき!」と言ってくれます。

 まだ3歳とはいえ、心はもう立派な「女子(じょし)」。朝、着替える洋服はその日の気分次第で、「これどう?」と見せると首を振ります。何着か見せてようやく頷いて着替えてくれます。着替えた後はヘアセット。自分で選んだヘアゴムとヘアピンを使って髪を結んであげると、完成したら頬に手を当てて「かわいいでしょ」と小首をかしげます。「かわいいね!」とほめるとギューッと抱きついてきて、嬉しそうな笑みを浮かべるのが日課になっています。

 無条件の愛を与えるのは親の役目ではありますが、何より子供が無条件に親のことを好きでいてくれて、甘えてくれるので、先に愛を与えてくれるのは子供なのだと気づかされます。子供に愛を返すためにも、入園してからはこれまで以上に愛情を注いで次女の不安や寂しさを取り除いてあげられたらと思うものです。

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 次回は、「生まれてきてくれてありがとう、授けて下さり感謝します」をお届けします。

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