2024.10.10 17:00
ダンベリー精神 13
このシリーズでは、真のお父様のダンベリー連邦刑務所(米国コネチカット州)収監(1984年7月20日)から40年を迎えて、「ダンベリー精神」とは何だったのかを振り返ります。(一部、編集部が加筆・修正)
全ては天の父母様の夢の実現のために
真のお父様のダンベリー収監中には、数々の特筆すべき出来事がありました。
その中の二つのエピソードを紹介します。
「共産主義の終焉」の宣言
1985年8月13日、「世界平和教授アカデミー(PWPA)国際会議」が、スイスのジュネーブで開催されました。
大会の議長を務めるシカゴ大学の政治学者、モートン・カプラン教授は、ダンベリーのお父様から、大会のテーマを「共産主義の終焉(しゅうえん)、ソ連帝国の崩壊」にするよう告げられ、びっくり仰天しました。当時、共産主義は依然として強大な勢力を誇っていたからです。
そのときのお父様とカプラン教授とのやりとりが、真のお母様の自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』に記されています。
教授「社会学者は、まだ起きていないことについては論じません」
お父様「共産主義は滅び、ソ連帝国は崩壊する! この事実を、世界の学者、教授たちが集った場で宣布しなさい」
教授「その言葉の前に、『Maybe(おそらく)』と付けるのはいかがでしょうか?」
お父様「いけません。私の言ったとおりに話してください」
カプラン教授はとても苦悩しましたが、結局、お父様の指導に従い、会議の席上で「共産主義の終焉」を宣言し、「ソ連帝国は崩壊する」と告げました。
参加者は驚きましたが、6年後の1991年12月、お父様の予言どおり、ソ連の共産主義は幕を下ろしたのです。
「統一主義に関する米国牧師会議」の出発
1985年4月に、「統一主義に関する米国牧師会議」が始まりました。
お父様に対する不当な裁判を通して、お父様を支援するために立ち上がった米国の牧師たちが、今度は統一教会(現・家庭連合)の教義に興味を持ち、そのルーツを求めて韓国や日本を訪れるようになったのです。
この会議は以降、月2回、開催され、1988年7月の第38回会議までに、延べ7845人の米国牧師が参加しました。
彼らは、日本では、「東西宗教の出会い」セミナーで仏教など他宗教との交流会を持ち、松濤本部での合同祈祷会に参加して、熱烈な祈祷をささげました。
韓国では、ソウル・青坡洞(チョンパドン)の旧統一教会本部、釜山(プサン)の凡一殿や涙石を訪れて祈祷をささげ、南北国境付近の非武装地帯で南北統一を祈願しました。
ダンベリー精神は今も脈々と受け継がれている
東洋におけるキリスト教精神の復興に触れた米国牧師たちは、その後の統一運動の発展に大きな役割を果たすことになります。
彼らや、その流れをくむ聖職者たちによって、2000年5月22日に「米国聖職者指導者会議」(ACLC)が設立されました。
その後、彼らの尽力によって、14万4000組の聖職者祝福式(2002年4月27日、ワシントン)が挙行されました。
さらに2019年12月28日、世界のキリスト教が神様を父母として侍(はべ)り、教派の別なく兄弟姉妹として結集することを願って、「世界キリスト教指導者会議」(WCLC)が米国で創設されましたが、ここでもACLCが大きく貢献しました。
ダンベリー精神に感銘を受けた牧師たちの精神は、今も脈々と受け継がれて世界中に広がり、神様(天の父母様)と真の父母様の夢の実現に大きく寄与しています。
憎悪が支配する場を愛のあふれる場に変えた「獄中の聖者」
最後に、お母様の自叙伝の一節を紹介します。
「無念の獄中生活ではありましたが、文(鮮明)総裁は模範的な態度と勤勉さで、服役囚たちに深い感動を与えました。彼らは、初めのうちこそ『東洋から来た異端宗教の創始者』と言ってあざ笑い、文句をつけてきましたが、ほどなくして文総裁を真の師と仰ぐようになりました。文総裁は怨(うら)みと憎悪、争いが支配する刑務所を、愛のあふれる場所につくり変えたのです。
服役囚たちは文総裁を『獄中の聖者』と呼ぶようになり、看守や刑務所の管理者たちまでも感服させるに至りました。こうして、文総裁は模範囚として1985年8月20日、自由の身になったのです」(『人類の涙をぬぐう平和の母』179ページ)
---
「ダンベリー精神」は、今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。