2024.05.04 17:00
【B-Life『祝福家庭』コーナー】
『祝福家庭』102号(2021年秋季号)
「中高生教育Q&A」
〜もしかして、娘が異性交際? 親はじっくり腰を据えて話を聞く〜
二世圏祝福推進センター 佐々木勝一センター長
【Q】
高校1年の娘の母親です。学校で娘が、ある男子からラブレターをもらいました。異性交際に発展しそうです。親としてどのように対応したらいいのか、教えてください。
【A】
中高生期を迎えた二世の多くは、この質問にあるような出来事に遭遇しています。これが親を心配させる内容であることを、子女自身は痛いほど分かっています。
このような場合、父母においては、子女に対して「何があっても私はあなたを受け止める」という姿勢が、まず必要とされます。全てを受け入れる姿勢で、子女の話に耳を傾けてください。
それと同時に、できるだけ経緯や状況を客観的に把握することも重要です。いずれは「それはだめ」とはっきり言うことが必要になるかもしれませんが、何も分からないうちに頭ごなしに否定するのは、最悪のパターンです。
話の切り出しが、「絶対だめだよ」では、子女は二度と親に相談しなくなる可能性があります。
●「会話のできる家庭」が重要
この質問を受けて、私は妻と大学生の息子に話を聞いてみました。息子が中高生の頃、こんな会話があったそうです。
妻「ねえ、知ってる? パパとママは祝福を受けたんだよ。あなたにもたった一人のお嫁さんが来るんだよ! どうする? ところでさ、どんな人がいいかとか、何かあるの?」
息子「えっ、突然言われても分からないよ。優しい人とか。でも分からない」
妻「ということは、お母さんみたいな人?」
息子「え〜」(笑)
息子は私に、「このような会話が、『自分には神様が準備した人がいるんだ』との考えに至る布石になっていたような気がする」と話してくれました。その時々に、家族とのさりげない会話の中で恋愛や結婚のことを話せるのは、重要だと思います。
今回の質問者に起きた出来事は、異性関係について親子で話せるいい機会になるかもしれません。まずは、相手の男性に対してどう思っているのかをよく聞いてください。
もしすぐ答えてくれなくても、じっくり腰を据えて、娘さんが答えてくれるまで待ってあげてください。状況によっては、少し時間が必要になることがあります。
話してくれたときは、まず「よく話してくれたね」と褒めてください。話を聞いたあとは一人で抱え込まず、夫婦で一緒に祈り、そのうえで所属教会の家庭部長など、「相談できる人」に報告して、アドバイスを受けてください。
ところで、日本の青少年の性行動の現状とその意識については、第7回「青少年の性行動全国調査」(2011年、財団法人日本児童教育振興財団内 日本性教育協会)が明らかにしています。
同調査を基に発行された『「若者の性」白書』(2013年、小学館刊)では、家庭環境が青少年の性行動にどのように関連しているのかを検証した結果が紹介されています。
それによると、特に高校生女子において「家庭が楽しくない」と回答する人に、性交経験率が高くなっています。
また、母親が専業主婦の場合、特に中学生女子と高校生男子において、それぞれ性交経験率が低く、母親と会話を毎日は「しない」場合に性交経験率が高くなっています。さらに、父親と毎日会話する場合には、特に男子にとって家庭内で性を話題にしやすいという傾向が見られました。
この調査により、ほかの家庭問題の研究者がこれまで指摘してきた「家族間でのコミュニケーションが早期の性行動に対して抑制的に働く」との結論の正しいことが、改めて確認されました。
これらはあくまで一般社会で行われた調査の結果ですが、祝福家庭の子女たちがこの日本の社会環境の中で生活していることから考えても、家庭におけるコミュニケーションの重要性を知ることができます。
●子女に関心を持ち夫婦で祈る
父母に愛される空間は、子女にとって「空母」のような存在です。外でさまざまな環境にさらされても、空母に戻ってくれば、父母の愛で充電できるのです。
今回の質問者のように、ラブレターをもらったとき、ふだんから本音で話せる空間が家庭にあれば、子女は親に相談できるでしょう。これには、小学校卒業までに、子供が関心を持つものを一緒に共有する時間をどれだけ持つことができたかが影響すると思います。
実際には、さまざまな事情でそれができなかった家庭もあるかもしれません。しかし今からでも大丈夫です。夫婦そろって子女に関心を寄せ、祈るところからスタートしましょう。それとともに、教会で行われる純潔教育などの情報を入手し、子女の状況に応じて参加する道を開いてあげることも重要です。
さまざまな角度から説明しましたが、端的に言うと、これは神様とサタンの愛の引っ張り合いであると言えます。
異性から手紙をもらった瞬間、告白されたとき、交際するかどうか悩んだとき。その時々において、誰の顔が子女の心の中に思い浮かぶでしょうか。父母に愛されている、分かってもらえているという感覚、それがいざというときに子女を守る大きな力になると思います。
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このような内容が盛りだくさんの『祝福家庭』を、是非一度手にとってみてください。
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