2024.04.12 12:00
孝情を育む 18
『ムーンワールド』で連載された、蝶野知徳・家庭教育部長による子育てに関するエッセーを毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
孝情を育む子女教育について、どんな姿勢で向き合えばいいのかを分かりやすく解説しています。
家庭教育部長 蝶野知徳
大切な三つの時間
望んでいることをしてあげる
すべての親が子供に「こうあってほしい」と願う思いがあると思います。しかし、幼児期においては、子供がお母さんに「こうあってほしい」と願っていることを満たしてあげると、心は良く育ちます。この子は「どのようなお母さんを求めているのか?」という点に焦点を当てて関心を持つのが良いのです。そうすると、子育ては難しいものではなく、ずっと楽しいものであることが分かると思います。
子育てを比較的楽にやっているお母さんを見ると、心に余裕があります。その秘密を考えてみると、子供に対する“要求心”が小さいことが分かります。“要求心”は子供の心を無視しがちになります。また、怒りなどの感情が誘発されやすく、過度な心配や、過干渉につながってしまうことも多いようです。子供を育んでいくことが難しいのではなく、親が自身の心を主管することのほうが難しいのかもしれません。
まずは、親自身が心を楽にすることです。楽になるためには、子供に望むのではなく、子供が望んでいることをして喜ばせ、お母さん自身も喜んで楽しむようにするのです。
子女が望んでいる三つの時間
仕事や家事で忙しい時でも、特に三つの時間を大切にすることをお勧めします。この三つの時間を大切にすれば、子供は満たされていくからです。
まず一つ目は食事の時間です。必ず目線を合わせながら、笑顔でおいしいねと共感し合うことが大切です。食事の支度の時間は難しくても、食べる時間は授受作用の時間と決めておくといいでしょう。
二つ目はお風呂の時間です。湯船におもちゃを浮かべたり、運転ごっこをしたり、いろんなことをして遊んであげてください。スキンシップの大切な時間でもあります。
三つ目が寝る時間です。絵本を読んであげるのもいいですし、素話も良いと思います。話の構成にあまりこだわらず、お母さんが思いついた作り話を寝入りにしてあげるのです。子供を主人公にした冒険ものでもいいでしょう。子供は喜んで聞きながら、自然に寝てしまいます。
子供と遊ぶ時間がないという人も多いと思いますが、この三つの時間さえおさえて、しっかりと向き合い、お母さん自身も一緒に喜んでいれば、子供は十分に愛を感じて満たされていきます。
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次回は、「お友達は神様の子じゃないの?」をお届けします。