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共産主義の新しいカタチ 1

 現代社会に忍び寄る“暴力によらざる革命”、「文化マルクス主義」とは一体何なのか?
 国際勝共連合の機関紙『思想新聞』連載の「文化マルクス主義の群像〜共産主義の新しいカタチ〜」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。(一部、編集部による加筆・修正あり)

〈プロローグ・前編〉
共産主義の「正統と異端」の系譜①

 カール・マルクスは『共産党宣言』で、「一個の妖怪が今、ヨーロッパを徘徊している、共産主義という名の妖怪が…。」と共産主義の旗を掲げましたが、口シア革命70年にしてソ連帝国は崩壊、野望は潰えたかに見えました。

▲カール・マルクス

 共産主義という名の「妖怪」を「近代科学」の衣装をまとわせて手なずけたのがマルクスとすれば、レーニン及びスターリンはその妖怪を怪物フランケンシュタインのように受肉化しました。かつては20世紀世界を二分した共産主義国家はベルリンの壁の崩壊以降、完全に破綻し、国家体制を握る「政治・経済としての共産主義」は、終焉を迎え、その残滓たる中国や北朝鮮も「終わりの始まり」を呈しているように見えます。

革命によらない文化解体の共産主義
 その一方で、日本をはじめ先進諸国では、国家権力打倒を目指した革命思想としての共産主義は影を潜めた代わりに、もっと身近で、根源的な「文化解体」としての共産主義、「暴力によらざる革命」が、知らず知らずに私たちの社会に根を深く下ろし、いつのまにか「主流」になろうとしています。まさに「マルクスの亡霊」です。

 「ジェンダーフリーに基づく男女共同参画社会」「自治基本条例による議会制民主主義のソビエト化」「伝統的家族制度の解体」という諸政策が蠢動し、末端の行政機関をも「陥落」させ、民主党政権で日本が亡国の淵に沈みかかったのは周知の通りです。

 これまで一部の識者が指摘、 ようやく政治家の間にも理解されてきました。それでもまだ、その猛威に右往左往しているのが偽らざる姿です。『孫子』の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とあります。家族と社会守護する具体的方策を講じるためにも、敵の陣容、系譜をまず把握しておかねばなりません。(続く)

「思想新聞」2024115日号より

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