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脱会説得の宗教的背景 28
宇宙の基本単位とは何か?

教理研究院院長
太田 朝久

 YouTubeチャンネル「我々の視点」で公開中のシリーズ、「脱会説得の宗教的背景/世界平和を構築する『統一原理』~比較宗教の観点から~」のテキスト版を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 講師は、世界平和統一家庭連合教理研究院院長の太田朝久(ともひさ)氏です。動画版も併せてご活用ください。

「本形状」(前エネルギー=物質の素材)とは?
 「本形状」とは何かを、結論から述べると、いかなる“粒子性”も“波動性”も持たず、ただ力を加えれば“粒子”と“波動”に転化する要素を持っており、特定の単位で粒子化がされていない無限定な「前エネルギー」ということになります。

 このことを哲学的に説明すると、以下のようになります。

 例えば、ある一個の粒子があるとします。
 その粒子は、さらに小さな粒子の集まりからできているとすれば、その小さな粒子と粒子の間はどうなっているのかというと、何もないように見える空間にも、何らかのエネルギーがあるということになります。

 粒子と粒子が、お互いに力を“伝達”し合い影響を及ぼし合っているということは、何もないように見える空間にも、何かのエネルギーがあるということです。
 この粒子化されていないエネルギー状態を波動性といいます。

 この波動性とは、エネルギーが“連続性”を持ってつながっている状態のことであり、それに対して、エネルギーが一つの場所に集まって個別的に分かれている状態のことを粒子性といいます。
 この粒子性とは“非連続性”によって、粒子と粒子が分かれ、つながっていない状態のことをいいます。

 この波動性と粒子性の関連性について、考察しなければなりません。


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 例えば、小さな単位の「粒子A」があったとします。
 その粒子Aの根源は何かと探究すると、それを構成しているもっと小さな単位の「粒子B」に行き当たったとします。
 その粒子Bを構成する根源は何かという問いが、さらに生まれてくることになります。

 そこで、粒子Bの内部に入って、もっとその奥にある構成要素は何かを調べなければならなくなります。

 では、粒子Bと粒子Bの間(=空間)はどうなっているのかというと、そこには何もないのではなく、粒子Bと粒子Bの間にも、互いに影響し合っていることから波動性のエネルギーがあるのです。

 そしてその粒子Bの内部を調べて、さらに小さな「粒子C」が発見されたとすれば、その粒子Cの構成要素は何かという、同じ問いが生じてきて、その粒子Cも波動性と粒子性から成り立っているということになるのです。

 結局、同様の問いかけが、どこまでも繰り返されることとなり、哲学的な観点から述べると、最小の「究極の粒子」というものは、存在しないということが予測されるのです。


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 では、この粒子性や波動性とはいったい何なのかを突き詰めると、結局、粒子と波動は同じもの(=エネルギー)からできており、粒子も波動もエネルギーとして、つながっているというのです。

 粒子とは、一種のエネルギーの“コブ(固まり)”のようなものであるといえます。
 エネルギーが粒子性と波動性として、ある一定の量で集まり、つながっている状態を、物理学では「量子」と呼んでいます。

 現代の最先端の量子力学において分かっているのは、「プランク定数」です。
 プランク定数とは、プランクという人が発見したのでそう呼ばれています。

 ちなみに、20世紀の物理学の最大発見は、アインシュタインの「相対性理論」と、このプランクのプランク定数だといわれています。

【プランク定数】
h=6.62607015×10-34 Js(ジュール秒)

 この量子とは、1秒間にこれだけの量のエネルギーが集まっているという意味です。

 こういうことを推察していくと、哲学的な観点からは、プランク定数に相当する何か特殊なエネルギーの“集まり”が「基本単位」となって、この宇宙が形づくられたのではないかと考えざるを得ないのです。

(続く)

※動画版「脱会説得の宗教的背景 第7回『唯物論』と『唯心論』の和合統一〈その2〉」はこちらから