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スマホで立ち読み Vol.30
子どもの心をひらく 8

村上小夜子・著

(光言社・刊『子どもの心をひらく』〈20161030日初版発行〉より)

 スマホで立ち読み第30弾、『子どもの心をひらく』を毎週月曜日(予定)にお届けします。
 長年、幼児教育に携わってきた村上小夜子・光の子園副園長が、その経験から得た内容を紹介しています。「ねばならない」「こうあるべき」という教育から、子供が本来持っている神性を引き出す教育へと転換する方法をお伝えします!

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第2章 悪いものを出させる

悪い影響を受ける子どもたち

 子どもたちは乱暴な言葉を使うことがよくあります。「てめえ」「こんちくしょう」「首絞めるぞ」……。そんな暴言を聞いたら、すぐに「やめなさい」「それはいけない言葉でしょ」と叱りたくなるでしょう。でも、まずは受け止めて、全部言わせる、吐き出させることが必要です。どんなことも、まず受け止めることから始めるのです。

 これだけメディアが発達している世の中で、「見るな、聞くな」と言っても無理でしょう。ゲームなどの氾濫で、子どもたちが影響を受けているのは事実です。

 たとえ子どもが暴言を吐いたとしても、頭ごなしに怒らないようにしましょう。まずはすべて吐き出させるのです。全部吐かせてみると、そういう子どもがとても正義感の強い子であることがわかったりします。悪いことをしている友達がいたら、飛んで行って、「こらあ」と、たたいて悪いことをやめさせようとしているだけなのです。要は、やり方の問題、表現の仕方の問題なのです。

 また、自分の吐いた言葉がどういう意味かを聞いてみると、ほとんどわかっていません。その時こそチャンスです。言葉の意味をしっかりと教えるのです。例えば、「首を絞める」ということの意味をはっきりと話します。

 「首を絞めたら死ぬので、ママに会えなくなります」。すると、「えっ、ママに会えなくなるの? それはいやだ」と言います。「死ぬと、そういうことになるから、やめてね」と言うと、「わかった」と聞いてくれます。

 悪いものを全部出させて、子どもが落ち着いてから、したことが善いことなのか、悪いことなのかを尋ねて、考えさせるのです。そうしたら「いけないことだ」と言うのです。「じゃあ、これからどうするの?」と聞くと、「もう二度としない」と言うのです。子どもたちは「二度としない」と言ったら、本当にしないのです。

 そこに至るまでが大変です。子どもが自分で考えて、答えを見つけるまで大人が待てないのです。「善か、悪か」だけをスパッと言ってしまうほうが早く片が付くのです。しかし、それだけでは、子どもは納得していません。ほとんどの大人が、子どもの良心にたどり着く前に途中でギブアップしているのだと思います。その子どもの良心の蓋(ふた)を開けて、良いところ、神性を見つけようとするには忍耐が必要です。

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 次回は、「悪いものも受け止める」をお届けします。



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