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天一国主人に育む「神様コーチング」7
報連相と守秘義務の関係とバランス

ナビゲーター:阿部 美樹

報連相の徹底を通しての共有
 身近な家庭内のコミュニケーションから組織内のコミュニケーションに至るまで、円滑な連携や良好な関係性を築くためにも「報告・連絡・相談」(報連相)が迅速かつ的確に行われる必要があります。

 「報告」とは、依頼された業務や相談して決められた業務の進捗状況や結果などを、依頼者や責任者へ知らせることです。
 業務の進み具合や結果、問題点などを適切なタイミングで報告されることで、チームや組織全体の取り組みや方向性を的確に決定することができます。

 「連絡」とは、業務に関わる情報やスケジュールなどを関連する人たちと共有することです。
 連絡する相手は、責任者や上司、メンバー(部下)だけでなく、必要に応じて他部署や外部の人が対象となる場合もあります。

 「相談」とは、物事を判断する際に、責任者や関係者の意見を求めたり、話し合ったりすることです。
 組織における判断においては、単独で決定できるものは多くありません。複数の関係者の意見を聞いたり、責任者のアドバイスを受けたり、承諾を得るなど、総合的に判断することが求められます。

 これらの報連相を通して、「事実の共有」「情報の共有」「問題の共有」、さらには「心の共有」をすることができます。

「守秘義務」を徹底した組織文化づくり
 報連相をする場合に気を付けなければならないことがあります。
 カウンセリングやコーチングなどを用いた牧会相談・和動相談においては「守秘義務」の徹底です。

 相談業務に限らず、プライベートな悩みを親しい人に話し、その内容が知人みんなに知れ渡っていたらどうでしょうか。ショックが大きいだけでなく、そのように口の軽い人は信頼されなくなります。

 相談者が安心して悩みを打ち明けるためにも守秘義務が大切です。
 相談業務の場合は、教会内部の相談においても同じです。もし相談者が「これは伝えてほしくない」という意向があれば、責任者にも報告はできません。ましてや関連のスタッフにも話してはいけません。

 しかしその相談内容が深刻な問題であったり、緊急を要したりする場合などは、しかるべき責任者に報告し、相談する必要があります。
 また、責任者からの依頼を受けて代わりに相談を受けた際は、その責任者に報告せざるを得ないときもあります。
 このような場合は、相談を受けた人と相談内容を知った責任者が「集団守秘義務」を徹底します。

 相談者が牧会者ら責任者に報告されることを拒むケースは少ないでしょう。
 問題はその相談内容が、教会のスタッフや一般信徒など、自分に責任を持っていない人にまで興味本位で広がってしまうことです。

 守秘義務が徹底されることで、信頼関係が築かれ、安心感が広がり、自然に心を開いて深い話ができるようになります。
 相談業務は常に相談者に寄り添い、相談者を尊重し、信頼関係を築くことを基本にする必要があります。

 相談者が自ら進んで他者に自己開示して、自分の足りなさを打ち明けたり、自らの過ちに対する悔い改めの話をしたりする場合などは問題ありません。
 本来は何でも打ち明け合う壁のない家族文化をつくることが目指すべき姿だからです。

 守秘義務について、宗教団体の場合は心の問題を取り扱う分野なので、プライバシーに踏み込むのは当然のことだと思って軽んじてはいけません。宗教に関しても法律で定められています。

 刑法第134条(秘密漏示罪)、第2項には、「宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者、又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項(6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する)と同様とする」とあります。

 相談業務の守秘義務を徹底した上での報連相を行うなど、適切にルールと秩序を守る組織文化をつくってまいりましょう。


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