2024.02.06 12:00
平和の大道 71
国際ハイウェイ推進と宗教
皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!
佐藤 博文・著
本部をロンドンに持つ世界的に有名な英語の月刊情報誌の取材が、今年(2017年)4月中旬に東京の本部事務局で行われた。主として次の三つの質問があり、それに答える形で応対した。
1. 国際ハイウェイ・日韓トンネルプロジェクトの推進に、宗教及び宗教団体の力を重要視している理由は何か。
2. 経済的な効果を超えた政治的及び文化的な効果や意味をどのように考えているか。
3. 当面経済的な利益が見込まれず、いつ成就するか分からないこの夢のような壮大なプロジェクトを継続する意志を持ち続けられる理由は何か。
これらの質問は、実に的をついた質問であった。
2013年12月20日、韓国のテレビ局であるMBCの取材の時(2014年4月19日、21日放映)は、「国際ハイウェイ・日韓トンネルのシナジー効果(波及効果)は何か」というそれだけの質問であった。「一言で言えば、世界平和と、環太平洋中心の新文明の創造である。国際ハイウェイ・日韓トンネルは、高規格の高速交通のネットワークのインフラ構築であるために、そのシナジー効果(波及効果)が大きく、広域経済圏の形成から始まり、経済革命、政治革命、文化革命にまで波及するからである。歴史の事例から見れば、国際ハイウェイは21世紀のローマ街道に当たる」とその時は答えた。
宗教との関係
ところが、今回の取材は、今までの取材以上にもっと本質的な質問であった。というのは、国際ハイウェイプロジェクトと宗教及び宗教的信念との関係、そしてその政治的、文化的な意義についてであったからだ。
提唱者の文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は、「世界的な宗教が先頭に立って、国際ハイウェイプロジェクトを遂行しなければうまくいかない。神様のみ旨があるところには必ず道がある」と、宗教の重要性を強調されておられる。
しかし、日本においては、今回のイギリスの情報誌のような質問はほとんどなく、「経済効果はどのくらいあるのか。あまりないなら敢えて損をしてまで為す価値があるのか」というもっぱら経済性に関する質問が大半で、真っ先にその質問が出る場合が多い。
さらに、「国際ハイウェイや日韓トンネルプロジェクトの推進母体は政・官・財界や学界が主体になって推進すべきで、宗教団体が深く関わるべきでない」とする傾向が強い。しかし、日本社会のこのような精神風土自体が、国際ハイウェイ・日韓トンネルのようなビッグプロジェクト推進を阻む大きな障壁でもある。
イギリスの月刊情報誌の質問に対して、次のように答えた。
宗教または宗教的信念がバックグラウンドになければ、国際ハイウェイという世界平和と新文明創造の世紀のビッグプロジェクトは上手くいくはずがない。それ故、宗教や精神性を排除するような障壁を突破しない限り、国際ハイウェイの推進運動が大きなうねりとなることが難しい。
国家は、国益を超えることが難しく、経済界は、目先の利益が出なければすぐ引っ込む。知識人達は、構想は練ることはしても、資金を集めたり、組織を構築したりすることには弱く、自ら身を挺して実行するまでの勇気や実行力に欠ける。
しかし、宗教は本来、国益や経済的な損得を超える力を持っている。宗教の本来の使命は、精神面の救済を超えて、現実問題を包括的に解決し、世界平和や人類の福祉や幸福を実現し、地上に天国を建設することである。問題は、今の宗教の多くが本来の使命を果たしていないことだ。また、宗教は一旦掲げた目的を、いくら時間がかかっても、いくら資金を投入してでも、どんな犠牲を払ったとしても、完成するまで命がけで成し遂げようと継続する意志力を持っている。このような理由から、宗教界が先頭に立つべきであると考えている。
以上述べたような内容で答えた。
宗教の活性化のために
国際ハイウェイ・日韓トンネルプロジェクトの使命の一つが、現実問題の解決力を失い、形骸化した現代の宗教界を活性化し、宗教の復権を図ることである。宗教界がこの使命を自覚して、信者を動員したり、募金活動を行って、このプロジェクトを積極的に担当すれば、宗教界自体の社会的な価値が高まり、宗教界自体が活性化するようになる。
このようにすれば、分裂し、対立し、力を失っている現在の宗教界が、世界平和という大義を国際ハイウェイ建設によって実践する過程で、活性化するようになり、宗教統一の道も開けてくるだろう。故に、宗教団体が先頭に立って、国際ハイウェイ・日韓トンネルプロジェクトを推進すべきである。
(『友情新聞』2017年5・6月合併号より)
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「平和の大道」は、今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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