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神主義と頭翼思想 13
神主義と王権時代

ナビゲーター:稲森一郎

 新しく連載がスタートする同シリーズのオリジナル記事は、1995年10月から1996年10月までの期間、『氏族教会FAX-NEWS』に連載されたものです。
 文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁夫妻が提唱し、推進してこられた「統一運動」と、その運動理念である神主義、頭翼思想。その価値を再認識、再発見する機会としていただくために、稲森一郎氏の執筆による「神主義と頭翼思想~その理論と実践」をBlessed Lifeに再掲します(一部、編集部が加筆修正しました)。ぜひご活用ください。

真の父母が世界の中心
 人類の長い歴史は、天宙的な立場における「長子権復帰」「父母権復帰」の基盤の上に、「王権復帰」完成の時代、すなわち王権時代を迎えており、「神」絶対、「真の父母」絶対の時代圏に入っています。

 地上の堕落人間たちのいかなる価値観の尺度も相対的なものに過ぎず、無形なる神と有形なる神=真の父母こそが全てであるという絶対認識の時代圏なのです。
 なぜそうなるのかというと、結局、神の創造理想の完成が本来アダムの家庭を中心とする人類一家族世界の実現であったように、今また、復帰摂理史上の立場から、真のアダムの家庭を中心とする人類一家族世界の実現がなされなければならない時がやって来たからです。

 全天宙の無形の中心としての神と、実体の中心としての真の父母が完全に一つとなっておられるその「中心点」が世界の中心であり、歴史の中心とならざるを得ません。
 それ以外にはどこにも真の意味の中心がないという結論です。

 従って、既存のあらゆる権威と秩序が試練を受け、揺れ動き、従来どおりに機能しなくなっていく時代、世界規模の混沌(こんとん)が広がっていく時代が今の時代であり、偽りの中心は倒れ、神が承認される中心のみが永遠に立つことのできる時代が到来しているといえるでしょう。

 偽りの主人は追い出され、真の主人が迎えられなければならないこの時代は、「本物」になる以外に道はありません。
 偽りの愛、フリーセックス、真の愛を持たない、力のみの権威や地位、世界のためにならない組織やグループなど、本物が現れる時、本物でないものは淘汰(とうた)されざるを得ないという厳しい時代です。

 しかしまた、悔い改め、反省して、謙虚に神の教えを請うならば、許しが与えられ、生き残る道が与えられる、愛と許しと恵みの自己再生、自己覚醒(かくせい)の時代でもあります。
 いずれの道を行くか、滅びか救いか、それは一人一人の賢明なる選択にかかっていると言っていいでしょう。

神主義を宣言し、天国建設の旗手となろう
 政治も経済も文化も、教育も科学も宗教も全て、自己中心的、利己的な傾向を持った場合、それらは掃き捨てられるでしょう。
 真に人々のため、世界のために役立てられるのであれば、人々に歓迎され、世界から歓迎され、存在の基盤を確保するでしょう。

 まさに今日の時代の「カオス」は、偽と真の価値観の相剋(そうこく)であり、「真」が浮上し、「偽」が沈没する交代劇なのです。
 とどのつまり、神を愛し、人類を愛し、万物を愛する真の愛の思想、すなわち「神主義」の精神に合致、または同一方向を取るものは残り、それに合致しないもの、また反対方向を取るものは、歴史の審判を受け、消滅していかざるを得ないという厳粛な歴史法則を私たちは日々、目撃することになるのであり、事実、目撃しているのです。

 神主義は、今や時代の要請であり、歴史の要請でもあります。
 全てを神の創造の理想と基準から出発し直し、真の愛に立った思想と実践を展開するのでなければ、何事も成らず、たとえ成したと思っても崩れていくのです。

 神、人、万物の三層的世界構造が「真の愛」で完全に一体理想を実現した時、神も人も万物も喜ぶところの地上天国が実現し、それがそのまま、天上天国、永生圏理想に連結されていくのです。

 歴史の方向性と時代の景色は、まごうかたなき、神主義、真の愛主義を中心とする神の王権の地上定着の時代、すなわち王権時代を告げています。
 誇らかに神主義を宣言し、神主義を実践し、地上天国建設の旗手として、私たちは前進しなければなりません。

 神主義の根本思想を、神、罪、メシヤの聖書三大思想と擦り合わせつつ、13回にわたって述べてまいりました。
 今回をもって、このシリーズは完結します。ありがとうございました。