2023.12.20 17:00
家族の絆づくり 298
「家族の絆」を深める
ナビゲーター:阿部 美樹
絆を深める「三つの共有」
「絆」とはつながりであり、心の結び付きです。
人の正式名称は「人間」というように、「人との関わり合い」「心の絆」こそが、人間のあるべき本質であり、幸福度を決定する要因になることでしょう。
その中でも最も密接で大切な関係は「夫婦の関係」であり、「親子の関係」です。
このような家族の関係は最も大切であると同時に、最も難しい関係ともいえます。
組織のチームのように、ある一定期間の関係ではなく、一生涯を通じて生活を共にする関係だからです。
そのためには、日々の生活の中で相手に感謝する生活をしながら、最後は相手から感謝される存在になることが大切ではないでしょうか。
そこで、絆を深めるための方法として、三つのポイントを紹介します。
第一のポイントは「感情(気持ち)の共有」です。
自分の気持ちを相手に伝えること、相手の気持ちを聞いて受け止めること、さらには互いの心を理解し合うことです。
日々の出来事を通して「何を感じたのか?」「どのように思ったのか?」「なぜ、そのように思ったのか?」「それを、どうしたいのか?」などを表現していきましょう。
ここで、大切なことは「表面的な話ではなく、本音で話すこと」「善しあしを決めるのではなく、違いも認め合うこと」です。
このような、感情の共有を通して、互いの心の波長が共鳴し、心地よい関係性へと深まっていくことでしょう。
「一緒に分かち合う」ことの恩恵
第二のポイントは、「価値(考え・個性)の共有」です。
話をしていくと互いの「価値観」の違いに気付くことでしょう。互いの「個性」の違いも感じることと思います。
このような違いがあっても、大切なことはその違いを受け入れ共有することです。
特に、相手の個性、素晴らしさ、強みに注目して認めること、称賛すること、賛美するように心がけてみましょう。
そうすれば、相手は「自信」を持つようになります。
自分を信じる人は、意欲と勇気を持ち、何事も前向きに取り組もうとします。
実際、荒れている学校には自信がない生徒が多いといわれます。発展しない組織には自信がないメンバーが多いものです。
相手の良さを探していく姿勢で接してみましょう。
第三のポイントは、「場(時間・空間)の共有」です。
心や価値などの内的な共有だけでなく、時間と空間を共有して過ごすことも大切です。一緒においしいものを食べる、一緒に奇麗な景色を見る、一緒に運動して汗を流す、一緒に映画を見る、一緒に旅行するなど、行動を共にしてみましょう。
特に、喜びと楽しみの共有をするならば、幸せな思い出になります。
時には、相手の趣味に付き合って一緒に行動してみることも必要です。
相手をさらに理解するきっかけになることでしょう。
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「家族の絆づくり」は、今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。