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幸福への「処方箋」4

 「幸福への『処方箋』」を毎週火曜日配信(予定)でお届けいたします。

野村 健二(統一思想研究院元院長)・著

(光言社・刊『幸福への「処方箋」~統一原理のやさしい理解』より)

第一部 統一原理——その基本的枠組み

第一章 幸福と創造原理

主体と対象―格位
 この授受作用について考える時、どうしても無視することができないのが、二つの要素や二つの個体が互いに向き合う際に、どちらが本来の「主体」かという問題です。神は宇宙の創造に当たって、すべての要素、側面、個体を一つの例外もなく主体と対象の関係となるように創造されました。この主体と対象の順位のことを統一原理では「格位(主管に関する資格上の位置)」と呼びます。主体とは「中心的、積極的、動的、創造的、能動的、外向的」であることで、対象とはその主体に対して「依存的、消極的、静的、保守的、受動的、内向的」であることです。

 神が定められたように人間が動く場合には、向かい合う二つの要素、個体のどちらかが主体、どちらかが対象となって行動しようとするので、その間に矛盾、対立の生ずることはありません。しかし、神が定められた主体に対して、対象の側の人間が逆に主体になろうとすると、ここに矛盾、対立が生じます。例えば、国家と国家、イデオロギーとイデオロギー、共産陣営と自由陣営、民族と民族、宗教と宗教、政党と政党、労使関係、師弟関係、父母と子女の関係、夫婦関係、対人関係など、無数の「相対的関係」が相衝(衝突)現象を現しているのです(『統一思想要綱』80頁)。

編集部注:引用文献の『統一思想要綱』は、現在2014年7月再版の『【新版】統一思想要綱』が最新刊となっています。

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 次回は、「心情と目的」をお届けします