制作の舞台裏から 33
映像作品の音をデザインするMAとは

 U-ONEニュース 2023106日号では、「神日本二世圏総会2023」のダイジェストをお送りしました。

 私は、同番組の中の音を仕上げる仕事を担当しました。それは、MA(エム・エー)と呼ばれる作業です。 MAとは「Multi Audio」の略称で、映像制作の中でも音の制作の部分になります。

 2023年917日、韓国・清平において開催された「神日本二世圏総会」の収録素材には会場内のさまざまな音が入っています。
 スピーチの音以外にも、日本と韓国の二世圏およそ7000人の熱気あふれる拍手や歓声、日本の参加者全員による「孝心」の大合唱などが入っています。

 そういった部分をMAという音声編集によって聞きやすくして、さらにナレーション、音楽を入れながら全体のバランスを取って番組として作り上げているのです。

 それ以外にも効果音を付けたりもします。

 タイトルの所には「キラキラ」「バシーン」のような効果音が付けてあったり、シーンの変わり目には音楽を変えたり、メリハリを付けるために「シャキーン」といった音を付けているのです。

 例えば、ナレーションが「韓日の二世圏が一つになり、孝情の思いを爆発させます」と語っている部分では、青年たちの歌声など臨場感を、さらに引き出すように選曲された音楽を使いました。

▲ナレーション収録の現場

 真のお母様のみ言のシーンをご覧になってお気付きになりましたでしょうか。
 ここにはだんだんと盛り上がっていく音楽が入れてあります。これによってお母様のみ言の内容に合わせて、視聴者の意識を徐々に高めていく効果を狙いました。

 こういった音の追加によって番組全体が引き締まり、見る人の心をつかみ、番組全体として伝えたいメッセージが視聴者に伝わっていく効果が高まるのです。

 そして、全ての音がバランス良く聞き取れるようにMIX(ミックス)と呼ばれる調整をして、MA作業は完了します。

 このように、MAは映像作品の中で大切な演出の一つです。

 私はもともと音楽が好きで、映像の中での音楽の果たす役割は想像以上に大きいと考えていました。ですから、こうした音楽を映像の中に生かせる仕事をさせていただけることに喜びとやりがいを感じています。

 しかし気を付けなければいけないこともあります。

 音楽の選び方一つで出来上がる映像の雰囲気が一変し、クライアント(依頼者)の意向に添わなくなったりすることもあります。ですから依頼者の意向をくみながら、こんな雰囲気を好んでくれるだろうな、と常に考えながら仕事をしています。

 MAという仕事には正解がありません。だから難しいのです。

 映像を生かすも殺すも音の付け方次第と言えます。それだけセンスが問われる仕事です。

 料理の味付けの好みも人によって違うように、全ての人に喜ばれる音作りはとても難しいことだとつくづく思います。

 そんな仕事ですが、大好きな音楽と音響機器に囲まれていることが幸せです。

 視聴者の皆さまに喜んでいただけるように、また次の作品作りにチャレンジしてまいります。

(K)

 神日本二世圏総会の様子は「U-ONEニュース 2023年10月6日号」でご覧いただけます。

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