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幸福への「処方箋」 3
第一章 幸福と創造原理
授受作用

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第4弾、『幸福への「処方箋」~統一原理のやさしい理解』を毎週日曜日配信(予定)でお届けいたします。

野村 健二(統一思想研究院元院長)・著

(光言社・刊『幸福への「処方箋」~統一原理のやさしい理解』より)

授受作用
 幸福という問題を考える時、まず検討しなければならないのが、「授受作用」ということです。一般に「二つの要素や二つの個体が互いに向かい合」い、その間に相対基準(「共通要素」または「共通目的」を中心として結ばれた相対的関係)が造成されると、その間に何かを授け受けする現象が起こります。例えば、人間の間の「言葉、金銭、力、影響、愛など」の授け受けがそうで、「自然界では天体間の万有引力、動物と植物間の二酸化炭素と酸素の交換など」がそうです。このように「両者が何かを与え受ける現象を授受作用」といいます(要綱、七七頁)。

 この授受作用が自分と他のすべての者との間で円滑に行われるようであれば、自分はいつでも楽しい。すなわち幸福だといえます。しかしなかなかそのようにはいきません。

 その典型的なものが戦争です。戦争ではお互いが他を破壊し、破滅させようとします。これでは「共通目的」の立てようがなく、「相対基準」造成のしようがありません。このような状態が一体なぜ生ずるようになったのか? この問題は次の章で解明しますが、結論をいえば、神が創造された、神一元の世界が、神ご自身と神の統治を否定して自己中心の世界を構築しようとする、反逆の天使(サタン)との絶対に相容れぬ対立世界に変革されてしまったところから生じたものだと『聖書』は説いているのです。(続く)

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 次回は、第一部 第一章の「主体と対象――格位」をお届けします。