夫婦愛を育む 28
ダックマウス

ナビゲーター:橘 幸世

 私が英語を教えている女子高生の中に、問題を解くのに苦戦している時、無意識で下唇を突き出す子がいます(癖なんでしょうね)。それがとにかくかわいいのです! つい、くすっと笑いたくなりますし、ガードが外れるというか、心がほぐれます。

 それで今回は、そのしぐさについて書きたくなりました。女性向けですので、男性の皆さまはご遠慮くださるとありがたいです。

 女性向け講座のサブタイトルを、文鮮明先生のメッセージからお借りして「母のように 娘のように」とさせていただいていますが、やはり「娘のように」の部分が苦手な女性が多いようです。

 娘のような側面をテーマとした講座で、「夫に対して怒る時、怒り方次第で天国にも地獄にもなります。怒っても天国になるなんて、うそのようなホントの話ですが、そのためには幼い娘が怒るように怒りましょう」と言って、具体的な振る舞い方を紹介しています。上記の「下唇を突き出す」もその一例です。

 講座に参加された女性が、「自分が怒って下唇を突き出すと、夫が『出たぁ、ダックマウス!』と喜んでいた。こちらは怒っているのに何を喜んでいるのかと思ったが、理由が分かった」と言っていました(最近、ちまたで言われる“アヒル口”とは意味が違います)。

 私は女性ですが、その女子生徒に対してはほぼ保護者気分ですので、男性がいとしい女性に対して抱く気持ちに通じるものがあるかと思います。

 女性の皆さま、ご主人に対して怒りたくなったら、ぜひ下唇を突き出してみてください。子供たちが巣立って、夫婦二人暮らしというかたは、年がいもないなどと思わず、新婚に戻った気分でトライしてみてください。きっと楽しくなりますよ。

 もちろん、彼女のように地でできる人もいれば、練習が必要な人もいます。

 学生時代、上の立場の人に対して自然体で話している私の姿を見て、友人がうらやましがっていました。彼女は長女で「何か特別な要件や良い報告がないと話しに行けない」と言うのを聞いて、大変驚きました。一方で、彼女は周りの兄弟姉妹の様子がよく見えていて、「~が悩んでいるから話を聞いてみる」などと言っていました。そんなことには全く気付いていなかった末っ子の私は、また驚いたのでした。それ以来、彼女のように周りにも気を配るよう努めました。

 育つ中で身に付かなかったものは、意識的練習が必要です。お手本があるのは大変ありがたいことです。神様を中心とした大きな家族の中で、彼女と私のように、欠けていた側面をお互いから学んでいけるのは、素晴らしいことですね。