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統一原理補講 10
摂理歴史の各時代とその年数の形成

ナビゲーター:佐野邦雄

 「統一原理補講」は、1993年7月から1994年8月にかけて、あの伝説のメディア『氏族教会FAX-NEWS』に掲載されたシリーズです
 執筆者は、原理講師として著名な佐野邦雄氏です。30年の時を超えてよみがえる原理学習ページ。統一原理学習の補助教材としてご活用ください。(一部修正加筆し、小見出しを付け、読みやすく改訂しました)

(1)摂理的同時性の時代
 これまで学んできたように、人類歴史は人間始祖の堕落に始まり、サタン主権の罪悪世界が先行する中で、神が人類を救うために摂理してこられた復帰摂理でした。
 そしてこの目的を果たすために、創造本然の人間として神が遣わされるかたがメシヤです。メシヤを仲保とせずして人類の救いは全うされ得ないのですから、歴史はまさに一人のメシヤを求めて展開してきたのです。

 歴史は時代の変遷とともに、家族レベルから、氏族・民族・国家・世界へとその規模を拡大してきました。
 しかしこれを摂理的に見れば、単なる発展過程ではなく、人間が失敗を繰り返して「メシヤのための基台」を備えることができず、神とサタンが人間を中心として善悪闘争を重ねる中でメシヤの基台を求めて延長されてきた結果なのです。

 従って、各時代の具体的な史実やその規模は異なったとしても、全ての時代が「メシヤのための基台」を造成するための「信仰基台」と「実体基台」を復帰するためであったという点では共通しているのです。
 ある時代はそれ以前の時代を蕩減復帰する時代となるので、今日までの歴史は、ある一定の年数や代数を周期としてほとんど同じ路程(パターン)の歴史を反復するという展開をしてきたのです。これが摂理的同時性の時代です。

2)復帰基台摂理時代
 アダムからノアを経てアブラハムに至る2000年間は、アダムとエバの堕落により「信仰基台」と「実体基台」が失われてしまった中で、アダム家庭自体を取り戻す期間、いわゆる「家庭的メシヤのための基台」を造成する期間であり、蕩減復帰摂理歴史における基台を形成した各時代ですから、これを復帰基台摂理時代といいます。

 この時代は、家庭的範囲において「メシヤのための基台」を造成しつつ、将来メシヤが来られて三大祝福を完成する路程を、各時代の摂理を担当した中心人物たちが象徴的に復帰していく期間でした。

❶アダム家庭
 信仰基台:供え物
 実体基台:アベルとカイン

❷ノア家庭
 信仰基台:箱舟
 実体基台:ノアを中心とするハムとセム

❸アブラハム家庭
 信仰基台:三祭物→イサクの雄羊
 実体基台:ヤコブとエサウ

3)復帰摂理時代
 モーセに始まりイエスに至る2000年は、すでにアブラハムからイサクの家庭にかけて造成された「メシヤのための基台」を「民族的メシヤのための基台」に拡張する期間です。
 実体のメシヤを迎えて復帰摂理の目的を完結する期間ですから、この期間を復帰摂理時代といいます。

 摂理を担当した中心人物たちは、すでに「メシヤのための基台」が造成された条件がありますので、神のみ言と直接相対しつつ将来降臨されるメシヤの使命を形象的に果たしていくのです。
 故にこの期間の「信仰基台」を復帰すべき蕩減条件は、それまでの外的象徴献祭(万物)時代が終わり、人間自体が内的サタン分別をする供え物となって越えていく「40日サタン分立基台」を立てることとなり、「実体基台」も家庭的長子と次子の一体化による堕落性を脱ぐための蕩減条件から、中心人物を父母の立場に立てて民族的一体の基台をつくる蕩減条件となるのです。

 復帰摂理時代の摂理的同時性に基づく「信仰基台」と「実体基台」は次のようになります。

❶エジプト苦役時代
 信仰基台:モーセ(三次)40日路程
 実体基台:モーセとイスラエル民族

❷士師時代
 信仰基台:士師(12代)中心の幕屋思想
 実体基台:士師とイスラエル12部族

❸イスラエル王国時代→南北王朝分立時代→ユダヤ民族捕虜および帰還時代
 信仰基台:国王たちの神殿思想
 実体基台:国王と預言者・祭司中心の国民

❹メシヤ降臨準備時代
 信仰基台:国民各自のメシヤ思想(ヘブライズム)
 実体基台:ヨハネ(ユダヤ教)と国家・世界

4)復帰摂理延長時代
 イエスから再臨主に至る2000年を指し、イエスの摂理が霊的救いの基台のみに終わったことにより、これを実体的に蕩減しつつ、「世界的メシヤのための基台」に拡張して復帰摂理の目的を完全に果たす期間です。

 各時代は、すでに実体のメシヤとして来られた初臨のイエスの摂理を蕩減復帰するために、摂理を延長して再臨のメシヤを迎え、霊肉両面の救いを完結すべき時代ですから、これを復帰摂理延長時代と呼び、復帰摂理時代の内容を実体的同時性として蕩減していくのです。

❶ローマ帝国迫害時代
 信仰基台:イエスの復活40日基台
 実体基台:復活イエスとキリスト教徒

❷教区長制キリスト教会時代
 信仰基台:教区長たち中心の教会(み旨)信奉
 実体基台:教区長たちと信徒

❸キリスト王国時代→東西王朝分立時代→法王の捕虜および帰還時代
 信仰基台:国王たちの神の国理想
 実体基台:国王と修道院・法王中心の国民

❹メシヤ再降臨準備時代
 信仰基台:国民各自の再臨思想(宗教改革)
 実体基台:キリスト教と世界(全人類)

 以上のように、歴史はメシヤを迎えるという一点を中心に、同一のパターン(同時性)を持って今日に至っているのです。

 今こそ、全ての人が歴史の中心である再臨のメシヤに結ばれなければならない歴史的根拠がここにあります。



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