「幸せな結婚」を考える 28

6章 理想の結婚相手とは

理想の結婚相手は相互補完の関係である

ナビゲーター:長岡 高史

 普通、結婚相手となると「共通の趣味や、話題を持っている人と出会いたい」と思うでしょう。確かに、共通の話題があれば、すぐに仲良くなることができます。しかし、それでは人生に大きな広がりがありません。

 例えば、海好きの人が山好きの人と出会う。山に関心のなかった自分が、パートナーを通して山の素晴らしさを知る。海も山も、全ての自然が好きになる。これだけで人生が驚くほど豊かになります。

 結婚生活の醍醐味(だいごみ)、それはパートナーを通して自分の知らない世界を教えてもらう、というところにあります。一人では知ることも感じることもなかった、未知なる世界に触れることができます。これが大きく成長するチャンスになります。

 さらに、これは「趣味」とか「話題」とか関心分野の話だけでなく、「性格」や「価値観」といった内面性、さらには「国籍」や「宗教的背景」も当てはまります。これらを乗り越えていくことはとても大変です。しかし、そのことを一つ一つ乗り越えながら、夫婦が身も心も一つになったとき、かけがえのない一体感が生まれます。乗り越えてきた全ての苦労が自身の成長につながっていきます。そしてどんな人でも愛せるようになるのです。

 自分と趣味も、考え方も、関心分野も一致する愛しやすい人を求めるよりも、初めて会った時は理解できない点が多い、そんな人と結婚をした方が、より人生が豊かになり、幸せになれるのです。