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神様はいつも見ている 21
~小説・K氏の心霊体験記~

徳永 誠

 小説・K氏の心霊体験記「神様はいつも見ている」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
 世界平和統一家庭連合の教会員、K氏の心霊体験を小説化したものです。一部事実に基づいていますが、フィクションとしてお楽しみください。同小説は、主人公K氏の一人称で描かれています。

3部 霊界から導かれて
2. 妻を伝道する

 須佐之男大神(すさのおのおおがみ)との対話を通して、私は姉と同じ道に進むことを決意するに至った。

 つまり、私はこのような経緯で統一教会(現・家庭連合)に入会するようになったのである。

 私が統一教会に入会したのは1983年のこと、妻と結婚してから約1年が過ぎた頃だった。
 子供も生まれて、本来ならば新婚ムードで幸せいっぱいの頃である。

 信仰を神道から統一教会に変えると聞いた妻は驚いていた。
 当然である。あれほど嫌悪していた宗教にくら替えするというのだから。

 同時に妻はあまり乗り気ではない様子を見せた。

 これも当然のことだ。妻は1年かけてようやく神道の信仰や儀式に慣れてきたばかりだった。

 「この神道の宗教のままでいいんじゃないの?」

 「うん、その気持ちはよく分かる。でも、須佐之男大神が私に統一教会に行けと言うとるんや」

 「うーん」

 「だから、しばらく私のやることを見守ってや」

 「しゃあないな」

 妻は諦めたようにつぶやいた。

 妻は子育てもある。日常を回すだけでも大変だった。
 しばらくの間は神道の生活をしてもらい、後から統一教会の教えを学んでもらおうと私は考えていた。

 後日、統一教会の人に自分の考えを伝えたところ、それではいけないと言う。

 「あなたは結婚しているんでしょう?」

 「そうですが…」

 「この道は一人ではなく、夫婦が一緒になって歩む道です。奥さんも子供も一緒でないといけません」

 「そうは言うてもなあ…」

 私は妻の顔を思い浮かべた。
 妻を説得するのは容易ではない。妻はおとなしいように見えるが、根は芯が強く、私に似て頑固なところがあるからだ。

 だが統一教会の人が言うことももっともなことだ。私はなんとか妻を説得したいと思った。

 「では、どうしたら?」

 「条件を立てたらいいですよ」

 統一教会では、何か重大なことを成し遂げるためには、40日間とか、ある一定の期間、祈祷などの条件を立てるという。

 その話の内容には、神道の信仰をしてきた私にはピンと来るものがあった。

 母もよく父の事故のけがからの回復のために、神社に一定の期間毎日通っていたし、修行をして所願成就を願う生活をしていたからだ。

 私は100日間、妻のために祈祷をしようと思い立った。
 条件は、1日の十分の一を神様にささげるという意味で、毎日2時間24分、妻を伝道するための条件として祈祷をすることにした。

続く)

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 次回は、「妻のための100日条件」をお届けします。