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ダーウィニズムを超えて 21

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第二章 進化論を超えて─新たな展望

(一)生命の波動

(5)神の言(ロゴス)による創造
 ロバート・オークローズ、ジョージ・スタンチューは、生命のない物質から自然発生的に生命ある生物が生まれるはずはなく、遺伝暗号を与えて、動物や植物の種をつくるようにせしめたのは、物質以外のもの、すなわち心的なものでなくてはならないと言い、そこには芸術家としての神のみわざをみとめるべきであると言う。

 遺伝暗号を起源させ、動物や植物の種をつくるよう命令させたのは、いかなる原因なのだろうか。その原因が物質にあるはずはない。……ポセイドン像の形は、まず最初に芸術家の心の中で起源し、次いで何らかの適切なしかたで徐々に物質的な形をなしていく。芸術家の心こそが、たとえその人が像を制作する機械を発明する場合でも、その形態が物質に存在することの究極因なのである。それと同じことで、物質に生物の形態をとるよう指令する心が存在するにちがいない。たとえそれが、自律性を発揮してその仕事をこなすような化学機構を創造することでそうしているとしても、その形態が物質のかたちで存在することの究極因はその芸術家ということになる。その芸術家がいうなれば神であり、自然は神の手仕事ともいえる。聖なる芸術、すなわち自然は、人間のどんな芸術よりも奥が深く、しかも強力である。なぜなら、そこには物事の本質が組み込まれているからである(*17)。

 ノーベル生理学、医学賞を受賞した、医師のアレキシス・カレル(Alexis Carrel)は「全ての存在に内在しつつ超越する存在」としての精神、そしてその背後にある神について語っている。

 生命としての人間は、物理的連続体の中に完全に包括されているのではない。人間は物質と同時に精神から成っている。そして精神は、我われの器官の中に棲みつつも時間と空間の四次元の外にはみ出している。我われは宇宙と同時に、触れることのできない、非物質的な見えない環境、我われの意識に似た性質の環境にも棲んでいると信じることが許されるのではないだろうか? ……この環境こそ、全ての存在に内在しつつ超越する存在、我われが神と呼ぶ存在にほかならないのではないだろうか(*18)。

 文鮮明(ムン・ソンミョン)師によれば、種が第一の存在から第二の存在に飛躍するためには、第三の力が必要である。第三の力とは、神から来る新たなデザイン(設計図)の注入である。文師は次のように述べている。

 創造か、進化か? 第一の存在から第二の存在になるには、第三の力を関与しないといけない。生物自体には、力を増加させながら、第二のものになるような力を創造するものがない。より高いものに発展していくにはそれに相応した第三の力が関与しなくてはならない。それから複雑な構造は、内的な目的概念と外的な力の作用を入れなければ答えようがない(*19)。

 文師は、宇宙的な力が生物の核を変化させるとも述べている。

 進化するために必要な力がどこかから補充されなければならないが、進化論を主張しようとすれば、それを自体内に求めなければならない。しかし、核の形態の変化を自己自体に起こしてから連合させることのできる自体内の力はありえないので、進化論で言うところの進化は不可能だという結論が出てくる。……すべての存在の内的作用の力を起こすことのできる宇宙的な力があるということを知ったうえで考えなければならない(*20)。

 宇宙的な力とは、神からくる創造的な力である。宇宙的な力が及んで生物の核を変化させるということであるが、それは科学者の言う遺伝子の組み換えに相当する。すなわち、神が遺伝子を組み換えながら、新しい種を創造されたということである。

 進化論者の言う突然変異は、種の中での微小な変化にすぎないのであり、それをいくら自然が選択したとしても、新たな種に飛躍することはできない。新たな種に飛躍するためには、外部から来る、生命の波動としての宇宙的な力が必要なのである。(図21参照)


*17 ロバート・オークローズ、ジョージ・スタンチュー、渡辺政隆訳『新・進化論:自然淘汰では説明できない』平凡社、1992年、31819頁。
*18 望月清文『素粒子の心、細胞の心、アリの心』水曜社、2015年、17172頁。
*19 文鮮明「アラスカでのみ言」1989827日。
*20 文鮮明『ファミリー』19826月号、11頁。

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 次回は、「自然選択からデザインへ」をお届けします。


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