2023.08.04 22:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!
第148回 韓国と日本の文化の違いについて教えてください
⑤分かち合いと自尊心
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は「韓国と日本の文化の違いについて教えてください」という質問に対して何回かに分けてお答えしています。
韓国と日本の文化を比較して、両国の特徴を紹介したいと思います。
第5回は、「分かち合いと自尊心」の観点です。
韓国では出会った時のあいさつ言葉に「こんにちは」の代わりに「ご飯食べましたか?」という言葉があります。
おなかをすかせていないかという気遣いがあいさつ言葉になりました。
韓国は歴史的に動乱、戦争が多く、食べられない歴史が長かったが故とも考えらますが、それだけではないでしょう。
また、お菓子でもご飯でも一人で食べようとしません。見知らぬ人であっても、山登りの休憩所で出会った人に食べ物をあげようとします。お菓子も目の前の人にあげて、一緒に食べようとします。
韓国では何でも一人で食べることはほとんどありません。知らない人でも分け与えて一緒に食べる「分け与えの文化」があります。
日本では一般的におかずを一人一人の皿に取り分けて食べるのが普通ですが、韓国では、同じ鍋から一緒に食べるなど、分けないで食べることが多くあります。
また、勘定の支払いも日本とは違います。
日本のような「割り勘」という習慣はほとんどありません。
日本のように十円単位まで計算して集金している様子は見ることができません。立場や年齢が上の人がまとめて支払うことが多いです。
同僚同士でも、お互い今回は私が払い、次回は私が払いと、暗黙の了解によって支払い者が決定します。
料金を払うレジの前で、「私が払いますよ!」「いや、今日は私が払いますよ!」と言い合いをしている場面を多く見ます。
韓国ではおごってあげることは普通のこととして感じているのです。お金が無いのに無理して支払ってあげる場合もあるようです。
また、多くの韓国人は「自尊心」という言葉を好みます。
企業のコマーシャルで「民族の自尊心を高めた〇〇会社」というように「誇り」を持つことを大切にします。
一方、日本は「謙遜・謙虚」な姿勢が美徳と考えます。「お客さまは神様です」という姿勢で「日頃のご愛顧にお応えして」などといいながら、受け身になって最善を尽くそうとします。
また、韓国人は主体意識の強い民族性があります。
特に、日本に対して「自分たちは日本に文化を伝えた国である」と言ったり「韓国は『力』では負けても『義』においては決して日本に負けなかった」と言ったりすることもあります。
韓国人が日本人以上に情を先立て、威信を懸けて闘うのは、まさに自尊心を守ろうとする心の叫びのようなものを感じます。
サッカーの日韓戦は、韓国民の「日本だけには負けたくない」という意地のようなものを感じます。
さまざまな場面で韓国人と日本人がぶつかる時に、「どう公平に見ても間違っているのに、韓国人は謝らない」と日本人があきれることもあります。
実際、韓国人は、体面を懸けて闘うので、負けたときには本当に悔しがります。
日本人は、あっさりと負けを認める謙虚さを美徳とする面があるので、日本人には「負けて勝つ」という考えがありますが、韓国人は「負けても勝つ」という精神です。
このような違いを、どちらが正しいかではなく、互いを理解して協力していきたいものです。