「宗教」を読み解く 27
超宗教指導者会議（2）

シリーズ・「宗教」を読み解く 27
超宗教指導者会議（2）

ナビゲーター：石丸 志信

　昨年（2018年）11月10日に開会した「超宗教指導者会議」（IRLC）の開会晩餐（ばんさん）会で日本の僧侶があいさつに立った。

　彼は宗教者であり科学者である立場で、東日本大震災の時の経験から語り始めた。
　彼は原子力工学の専門家でもあったので、福島の原発事故の際に、非常な危機感を覚え、現場の人々が混乱する中で、技術的な努力だけでは問題の解決ができないと感じた。

　これは祈りしかないと、宗教者平和大使らに協力を呼びかけて祈り始めた時に、ようやく最悪の事態を避け、問題解決の糸口がつかめたと、彼は祈りの重要性を説いた。また、宗教者が互いに他の宗教伝統を尊重しながら、自分に欠けたものを見いだしてそれを受け取り、協力することが大切だと語った。

写真はイメージです

　三日目のセッションでは、一人の宗教学者で牧師の日本人名誉教授は、「宗教者は他宗派の教えに耳を傾けることが求められている。また、若者と寄り添い、彼らが家庭に希望を持ち、安らぎのある家庭を築けるよう宗教者は助けなければならない」と語った。

　この先生は、続いて力強くスピーチを終えた女性牧師がこの日誕生日だと知り、会場を巻き込んで全員でハッピー・バースデーを歌い祝った。