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新 堕落性の構造 87

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』〈1996年3月15日初版発行〉より)

『原理講論』の堕落論の要約──あとがきにかえて⑤

 このような堕落性は、自分で取り除くことはできません。なぜなら、これらの堕落性本性は、人間始祖の堕落以来、数千年間、私たちの先祖を通して血統的に受け継いできたものだからです。それを取り除く方法は、人類の救世主として、神が地上に送るメシヤに出会って、祝福を受ける以外にありません。

 しかし、祝福という救済措置を受けるためには、この堕落性を克服したという条件を立てなければなりません。これが堕落性を脱ぐための蕩減(とうげん)条件(詳しくは『原理講論』の復帰原理の中の第一章第一節を参照してください)というものですが、それは堕落の時と反対の経路をたどることによって、立てることができます。すなわち、堕落は天使長がエバを仲介としてアダムを堕落させたので、天使長の立場に立つカインとアダムの立場に立つアベルとの間に、反対経路をたどって、堕落性を脱ぐ条件を立てるのです。

 第一に、天使長が神の立場に立ってアダムを愛せなかったので、カイン(天使長の身代わり)が神の立場に立ってアベル(アダムの身代わり)を愛することによって、第一の堕落性を脱ぐ条件を立てることができます。

 第二に、天使長が存在位置を離れたので、天使長の立場のカインが、アダムの立場のアベルを仲保として、アベルを通して神の愛を受けることによって条件が成立します。

 第三に、天使長はアダムを逆に主管したので、天使長の立場のカインは、アダムの立場のアベルに従順屈服し、彼の主管を受けることによってなされます。

 第四に、天使長はアダムを通して神の善のみ言(ことば)を受けるべきだったのに、取って食べてもよいという不義の言葉をエバに伝えたので、罪の繁殖が成立しました。これを克服するために、天使長の立場のカインはアダムの立場のアベルから神の善のみ言を受け、これを繁殖することによって、堕落性を脱いだという条件が成立するようになるのです。

 このような条件を成立させたのち、私たちはメシヤを迎えて祝福を受けてサタンの血統から神の血統に転換することによって、罪のない創造本然の人間として完成することができるのです。

 文鮮明(ムン・ソンミョン)先生の解かれた「原理」は、そのことを詳しく説明された、世界で初めての根本経典です。このような人類救済の原理を解いてくださった文鮮明先生に限りない感謝と栄光をささげたいと思います。

 これを出発点としてどうか、あなたのすべての悩みを解決する『原理講論』を精読されることを切にお願いして、筆を置きたいと思います。

1996年19
北九州市小倉南区若園にて

阿部正寿

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 「新 堕落性の構造」は今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。

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