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中和新聞セレクト Vol.4
混迷する現代社会Ⅱ

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
  第4弾は「混迷する現代社会Ⅱ」(21世紀の家族を考える会)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。

 同コンテンツは『中和新聞』2020年5月から連載中のシリーズです。

第16回「家庭連合への批判」について考える(下)

(中和新聞 2022年10月14日 通巻1504号より)

 このシリーズでは、現代社会が抱えるさまざまな問題点を分析し、社会や家庭における正しい観点(価値観)や方向性を提示します。前回は、家庭連合への解散命令を請求すべきかどうかや、家庭連合が「反社会的勢力(団体)」ではないといったことについて詳述しました。

 今回は、家庭連合批判の大きなポイントになっている「霊感商法」について確認します。

■「霊感商法=旧統一教会」なのか
 安倍晋三元総理銃撃事件後の2022711日、家庭連合の田中富広会長が記者会見を行い、翌日には「全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)」も会見を開きました。

 全国弁連が「(旧統一教会による)霊感商法や献金問題はいまだに続いている」(紀藤正樹弁護士)と訴えて示したのが、「昨年末までの約35年で、弁護士や消費生活センターが受けた旧統一教会に関する相談は3万4537件、被害総額は約1237億円で、昨年までの5年に限っても約580件、約54億円」といったデータです(「朝日新聞」2022713日付朝刊)。

 その後も、全国弁連の紀藤弁護士や山口広弁護士がワイドショーをはじめ各種メディアに頻繁に出演し、「被害総額は約1237億円」といった数字を、ことさらに喧伝してきました。

 しかし、2009年のコンプライアンス宣言以降は、「教会員が法令を遵守し、公序良俗に反する行いがないように、教団が責任を持って指導すること」(家庭連合公式サイト)に努めてきたといいます。

 実際に、全国弁連のウェブサイトに掲載されている「窓口別被害集計」でも、2009年以降、その数が明らかに減少しているのが分かります。「消費者センター」による件数は、2009年の「158件」から翌10年には「58件」、15年には「5件」、その後も10件前後となっています。

 しかし、全国弁連の一方的な主張を繰り返し報道したマスコミの影響を受け、20228月には河野太郎消費者相が主導し、消費者庁で「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」が開催されるまでになりました。

 検討会委員の一員になった紀藤弁護士は、週刊誌上でも「現在も『霊感商法』の被害の多くは、統一教会によるものなのです」と、はっきり述べています(「女性自身」202289日号)。

 全国弁連は「霊感商法=旧統一教会」といった印象を国民に植えつけることに余念がありませんが、2009年以降、ここ10年ほどのファクト(事実)は果たしてどうなのか、検討が必要です。

■消費者庁の資料で明らかになった真実
 2022年9月30日、消費者庁が「旧統一教会に関する消費生活相談の状況について」という資料を公開しました。「表1 年度別相談件数」には、「相談全体」といわゆる「霊感商法(開運商法)」の件数、そして「旧統一教会」に関係があると思われる相談件数が明示されています。ここでは分かりやすく「霊感商法」の相談件数に占める「旧統一教会」に関する割合をまとめてみました。

 「旧統一教会」に関連する相談件数が2012年以降、減り続けているのはもちろんのこと、「霊感商法」に占める割合も、2012年は「7%」だったのが、その後5パーセントを下回り、昨年は「1.9%」となっています。「現在も『霊感商法』の被害の多くは、統一教会によるもの」ではないことは明らかでしょう。

 また、「産経新聞」(2022年9月26日付)に掲載された「占いサイトを巡る国民生活センターへの相談件数」(20162021年)からも、いわゆる「霊感商法」の相談件数の大部分が、「占いのウェブサイトやアプリのトラブル」であることが分かります。家庭連合が組織的に「占いのウェブサイトやアプリ」を開発・運用していないことは、教会員であれば周知の事実でしょう。これらのデータや事実からも、近年の「霊感商法」の被害相談は、ほとんどが家庭連合と関係ないものと言えるのです。

 ただ、「教会改革推進本部」の勅使河原秀行本部長が2度の会見(2022922日、10月4日)でもたびたび言及したように、「本来は1件(の被害)もあってはならない」のは言うまでもありません。銃撃事件後のマスコミ報道の影響などによって、20227月以降、家庭連合に対する相談件数が急増していることも事実です。

 また、消費者庁の有識者検討会では、「宗教法人への不当な献金を規制する法整備が必要だとする提言を近くまとめる見通しになった」とのこと(「朝日新聞」2022105日付朝刊)。検討会の委員たちも、家庭連合による「霊感商法」対策が特に必要ないことをよく理解したのでしょう。家庭連合も「不当な献金」や「過度な献金」については、コンプライアンス宣言のさらなる徹底と、具体的な改革案を提示しています。

 野党各党は霊感商法などによる被害者救済に向けた法案を作成し、103日に開会した臨時国会での共同提出を目指して調整を進めています。日本社会から「霊感商法=旧統一教会(家庭連合)」といった負のイメージを払拭していくには、まだ長い年月がかかることでしょう。

 そうだとしても、いわゆる「霊感商法」を今も家庭連合が行っているかのような不当な主張や報道に対しては、事実を基に反論していかなければなりません。さらに、今後も社会から誤解されることがないよう、家庭連合側の不断の努力が求められます。

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 次回は、「性感染症と少子化」をお届けします。

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