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コラム・週刊Blessed Life 265
G7広島サミット」開催される!

新海 一朗

 5月19日から21日までの日程で、「G7広島サミット」が開催されました。

 主要なテーマは「分立と対立ではなく協調の国際社会へ」「世界経済」「ウクライナ」「外交・安全保障」「パートナーとの関与強化(グローバルサウス、G20)」「経済的強靭(きょうじん)性・経済安全保障」「複合的危機への連携した対応」など、多くの議題が準備され、今日の世界が抱えている課題を解決するために、G7(米国、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本)の首脳が広島で会議を行い、会議の成果をG7首脳声明として発表しました。

 岸田首相は「G7」という大きな国際会議の責務をひとまず果たしたといえます。

 ウクライナ情勢が緊迫する中、G7はウクライナ支援で一致していこうというコンセンサスを再度固める会議でもありましたが、ゼレンスキー大統領がオンラインではなく、来日し直接参加で窮状を訴え支援をアピールするという展開もインパクトを与えるものとなりました。

 ロシアが核戦争を起こすのではないかという懸念が広がっています。
 被爆地である広島は、「核軍縮・不拡散」を世界にアピールする絶好の場所であるため、広島開催のG7会議は核戦争の愚かさを国際社会に強くアピールすることのできるものとなりました。

 首脳たちが原爆ドームや広島平和記念資料館(原爆資料館)を視察したことは、平和創出に責任を持つ首脳たちに、戦争への反省と平和への決意を改めて投げかけたはずです。

 日本は、中国、北朝鮮問題を抱えています。
 G7の意志ともいえる「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く」という姿勢を示すとともに、「力による一方的な現状変更は決して認められない」と岸田首相が宣言することによって、中国の覇権主義をけん制しました。
 さらに、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応においても、G7は緊密に連携していくことを確認しました。

 経済安全保障に関しては、相当力を入れた発言をホスト国として準備し、G7が協調して歩むことをアピールしました。

 グローバルな経済的強靭性の強化として、強靭なサプライチェーンの構築、強靭な基幹インフラの構築、国際的なルールおよび規範を損なう有害な慣行への対応、経済的威圧への対処、デジタル領域における有害な慣行への対抗、国際標準化における協力など、広範な経済的課題への解決策を提示しました。

 気候変動問題、エネルギー問題、食料安全保障、供給不安・価格高騰、ジェンダー・人権問題、デジタルへの対応・生成AIの在り方など、現在、世界で進行する複雑な問題は山積しています。
 それらに対してG7の首脳は、3日間、でき得る限りの検討を加え、認識を深めて論議し合うことで、解決の道を探っています。

 世界の問題は簡単ではなく、非常に複雑ですが、それでも首脳たちが直接会って会議を行うということは、現状の確認と問題解決への英知の共有によって、首脳同士の親密感を深めるものとなります。
 宮島観光など、和気あいあいと語らう首脳たちの姿を見るのは、気持ちの良いものです。

 悲観的、悲壮的になれば、問題はますます解決から遠のき、事態は複雑になります。希望的、前進的な姿勢で、人類は平和な世界を目指すべきでしょう。
 G7の成果が、今後、実体化するのを祈りたいと思います。