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愛と人生の道しるべ 8
愛しているのは理想の異性像

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第1弾、『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』は毎週日曜日にお届けしています。

酒井 正樹・著

(光言社・刊『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』より)

第2章 愛は与えて無限に溢れる

愛しているのは理想の異性像
 若者は、誰もが理想的な異性像を夢見ており、自分が描くその像にほぼ一致するような人に出会うと、相手が理想的人物であると思い込んでしまうようになります。

 しかしそれは、ずっと以前から自分の心の中で愛し続けていた異性像であって、相手の人格をよく知って愛しているのではありません。これは、いわゆる一目惚れの状態です。時間の経過とともに、実際の相手の姿が分かってきて、失望し、冷めていくようになります。

 誰もが心の奥底に理想の異性像を温めています。それは家庭環境や精神的影響を受けて、時間をかけてつくりあげられたものであり、愛情の欲求や様々な願望が複雑に織り成されています。

 特に影響を受けるのが父親と母親から、どのような愛情を受けて育ったかということです。このバランスが崩れている人や、愛されなかったという欲求不満を持っている人は、父親像や母親像を強く異性に求めるようになり、円満な愛情関係を結びにくくなってしまいます。

 親で満たされなかった愛を異性に強く求めるか、または異性を極度に嫌って敬遠してしまうのです。

 不思議なことに、強く求め合う男女は、お互いの家庭環境の中で愛されなかったという愛の恨みを持っている場合が多く、激しく燃え上がり、すぐに冷めてしまいます。

 これに対して、両親の愛を十分に受けて育ってきた男女は、激しく燃え上がることこそ少ないかもしれませんが、平和で充実した愛の世界を築き上げていくことが可能です。大切にされ愛されたことのある人間は、同じように他人をも愛することができるからです。思春期になり、誰もが経験する異性への強い憧れ、熱情に動かされることはあっても、両親の姿を通して本当の愛とは何かを知っているので、道を踏み外すことはまずありません。(続く)

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 次回は、「情的欠陥を補い、人を愛せる人間に」をお届けします。


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