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愛を育て、幸せをつくる結婚 5

 「愛を育て、幸せをつくる結婚」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 「そもそも結婚ってすべきものなの?」「結婚はしたいけれど、自信がない」という青年男女に向けて、「祝福結婚っていいかも」と思ってもらえることを目指して本書はまとめられています。

 家庭連合の結婚観について知っていただくきっかけにもなる書籍です。

世界平和統一家庭連合「結婚と家庭」研究チーム/編

(光言社・刊『愛を育て、幸せをつくる結婚』より)

第二章「幸福な結婚」、その前に…

(二)スタート前の準備

 車の運転には「運転免許」が必要なことは常識です。道路交通法や自動車の基本的仕組みなどを学び、実際に運転技術を習得してから、車の運転を始めるのです。

 もちろん、結婚には免許制度はありません。しかし、結婚前に理解しておいたほうがよいこと、習得しておくべきことがあります。これが不十分だと、幸福な夫婦になるどころか、事故を起こしたり故障したりする、「猫と青年のカップル」になりかねません。

①男女の違いを理解する
 まず知っておくべきことは「男女の違い」です。

 「男女の違い」を論じる様々な書籍の先駆けとなった、かつての話題作、『話を聞かない男、地図が読めない女』。結婚して何年も経(た)ってからこの本を読んで、「もっと早くこれを知っていれば」と思った人も多くいるようです。

 著者のアラン・ピーズ氏は、本の中で、「男と女はちがう。どちらが優れている、劣っているということではなく、ただ違う」(21ページ)と述べています。

 結婚して一緒に生活するとなると、男女の違いは実に様々な誤解やすれ違い、ぶつかりや不信を生み出す原因になってしまいます。そんな時こそ、「男女は違うから尊い」「どちらも同じように尊い」と考える必要があるのではないでしょうか。

 男女は互いの中に、自らと異なる要素を見るからこそ、そこに強力な「魅力」を感じ、惹(ひ)かれ合います。男性であれば、女性の持つ美しさや温かさ、優しさや繊細さなどに惹かれるでしょうし、女性であれば、男性の持つたくましさや頼もしさ、真剣さや情熱などに惹かれるでしょう。

 このように「惹かれる」「好きになる」というのはある意味、男女間に自然に生じる感情なのです。

 しかし「お互いに好きだから、じゃ、結婚しましょう」ということでスタートして、「結婚後の生活」がうまくいくかというと、なかなかそうはなりません。これはいろいろな現実を見てもうなずけるのではないでしょうか。「好きな人はいるけど、なかなか結婚に踏み切れない」という理由もここにあるかもしれません。

 一緒に生活するためには、ただ「惹かれる」「好きになる」というだけでなく、その違いを尊く思いつつ、相手にない部分を自分がいかにフォローしてあげられるかまで、考えなければならないのです。

②「好き」と「愛」の違いを理解する
 多くの人々が、「好き」と「愛」を同じもののように考えてきたのではないでしょうか。「好き」という感情の中には、相手に対する関心や好奇心、親しみや慕わしさ、高揚感や安堵(あんど)感など、様々な思いが含まれます。それはとても素敵な感情に違いありません。

 しかし結婚には、そして何より「結婚後の幸せ」のためには、その「好き」という感情以上に、「愛」が必要なのです。

 「好き」というのは、相手が持つ魅力や刺激に対する自然な「反応」です。相手が持っているものを自分が気に入れば「好き」になり、気に入らなければ「嫌い」になるでしょう。

 それに対して「愛」とは、「相手に与える」ものであり、相手の条件に変化があっても変わらないものです。相手が調子の悪い時も、いらだっている時も、元気のない時も、「それでも、私はあなたを愛する」という「主体的な行為」であり、相手の長所も欠点も、尊敬できる部分も気に入らない部分も、すべて引っくるめて受け止めようという「全面的」な心情なのです。

 キリスト教会における結婚式の伝統を思い出してみてください。壇上において、牧師さんが若い新郎新婦に尋ねることは何でしょうか。

 「健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

 これは決して、二人の「今の気持ち」ではなく、「愛の誓い」なのです。

 「好き」「嫌い」は誰でも自然に湧いてくる感情ですが、「愛」は決意や覚悟を必要とするものであり、努力を必要とする行動なのです。

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 次回は、「『結婚は相手のためにするもの』と考える」をお届けします。


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