2023.03.27 12:00
家庭教育局だより 3
血統の重要性①
人類に神様の血統をもたらす真の父母
松山平男 家庭教育局長
今回は、祝福家庭に与えられた神様の血統の重要性と、それをいかにして守っていくべきかについて、松山平男局長に解説していただきます。(『祝福家庭』2022年春季号より転載)
「長きにわたる人類の苦難に満ちた歴史は何のためにあったのか?」
この根本的な問いに対して、統一原理では、「人類歴史は復帰摂理であり、メシヤを迎えるための歴史であった」ことが明かされています。
メシヤとして来られた真の父母様の最も中心的な使命は、最初の結婚の失敗とも言える人間始祖の堕落により失われてしまった「神様の血統」、すなわち神様と人間の親子の絆を、祝福結婚を通じてもう一度地上に連結してくださることです。そして、それが私たち人類に与えられた、そして代表的には祝福家庭に与えられた最大の恩恵であり、救いであると言えます。
祝福結婚は家庭連合だけが提供できる、人類にとって最高の福音
家庭連合と他の団体を比べてみると、より歴史の長い、世界的に大きな教団や慈善団体などは、家庭連合よりはるかに多く、世の中のためになる活動を行っています。孤児には親となる人を探し、飢えている子供には生きる糧を与え、学べない子供たちには学ぶ機会を与えるなど、私たちの何倍もの規模で善なる行いをしているのです。
その意味では、私たちの活動は一見、劣っているように見えます。しかしながら、世の中の人たちには決してできない、私たちだけにしか提供できないものがあるのです。それが、神様の子女に生まれ変わることのできる「祝福結婚」の恩賜です。これこそが人類にとっての最高の福音なのです。
「家庭盟誓」7番に、「本然の血統と連結された為に生きる生活を通して」とあります。私たちが目指す、他のために生きる実践は、天の血統の土台の上に行われることです。天の父母様(神様)が主管し、働くことのできる神人愛一体理想、全く新しい、本然の世界につながる変化を、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界へと広げる可能性が生まれるのです。
しかし、ここで私たちが自らに問わなければならないのは、私たちがこのような最高の価値をすでに与えられているにもかかわらず、それに日々感謝しているかということです。飢えた人が食べ物を与えられて生かされた以上に、学校に行けない子供が学びの場を与えられた以上に、命を救われた以上に、その恩義を、ひと時も忘れずに感謝して生きているでしょうか。
人類は長きにわたり、我知れず「神様の子女に戻りたい」という願望を抱いて生きてきました。世界の宗教を代表するキリスト教においても、善を求め、神様を求めながらも、同時に人間は罪深い存在であると自覚してきました。「神様の僕(しもべ)」の時代を経て、神様を「天の父」と呼ぶ時代になってからも、神様を、罪深い人間とは大きく隔たった、近寄り難い存在として理解してきました。そして、ただ一人、イエス様だけが「神様の子」であると信じられてきたのです。
ところが私たち祝福家庭は、祝福を受けたという一点において、イエス様と同じ「神様の実子」の立場に立たせていただきました。イエス様すら地上では与(あずか)ることのできなかった祝福を受け、神様の愛と生命と血統に連結された位置に立つことができたのです。
私たちよりも何倍も苦労し、精誠を尽くした、歴史上の素晴らしい先人を差しおいて、私たちのような不足な者が神様の子女となり、神様との親子の関係を取り戻した立場に立つのです。
そのことを本当の意味で理解できたとするなら、その恩恵のあまりの大きさに、震えるほどの感動を覚えることでしょう。
真の父母様のみ言より
生命より貴く、愛よりも重要なものが血統です。生命と愛が合わさって創造されるものが血統です。これらのうち、生命がなくてもできず、愛がなくても血統は創造されません。愛、生命、血統のうち、その実りが血統なのです。神様の血統の中には、真の愛の種が入っていて、真の生命の体が生きています。したがって、この血統と連結されれば、神様が理想とされた理想の人間、すなわち人格を完成することも可能であり、理想家庭も生まれ、さらには、神様の祖国である理想の国家も出現するのです。平和理想世界王国は、このように絶対「性」の関係を通して創建されるのです。
(天一国経典『天聖経』 13・1・1・6)
復帰歴史の目的は人類が神様の血統を取り戻すこと
このように、復帰歴史の到達点、目的は、人類が神様の血統を取り戻すことにありました。そして私たちの信仰の目的(核心)も神様の血統を中心としています。
しかし私たちは、祝福を受けて神様の血統を相続しただけで、自動的に創造理想を成すことはできません。私たち自身が、天から頂いたこの貴い血統の価値を心から理解し、その価値を本当の意味で実現し、祝福を世に広げ、子々孫々、万代にまで相続させていくのが、私たちの目指すところなのです。
しかし、反対に、サタンの偽りの愛は人類歴史を通して長きにわたり私たちの先祖を支配し、今なお私たちの社会を覆っています。ですから、祝福を受け、神様の血統につながった私たちも、そのサタンの偽りの愛の影響、痕跡をきれいに消すために、おのおのが置かれている事情の中で熾烈な闘いをすることになるのです。
私たち食口(シック)は、統一原理を知って、信仰を立て、真の愛に生きようと決意し、歩みます。しかし、人にはそれぞれ違った霊的背景があります。功労を立てた先祖によって守られて、比較的順調な人生を送る人もいれば、愛に対する恨(ハン)を抱えた先祖の影響によって、試練の多い人生を送る人もいます。
特に後者の場合、決意したそばから誘惑に負けて、我知らず願わざる方向に走ってしまうケースが多くあります。例えば、自分は望んでいないのに、異性からの誘惑や性的情報に触れ、その結果、過った性の刺激にとりつかれて欲望を抑えきれなくなる―。そういった問題に悩むことは、食口や祝福家庭にさえ起こりうるのです。
そんなときこそ、人間の偽りの愛の姿に心を痛めてこられた天の父母様に思いをはせなければなりません。これは、本然の息子・娘の姿に戻るための人類を代表した、歴史を懸けた闘いです。天の父母様との親子の関係を、横的な偽りの愛の刺激より大切に思う自分となれるよう、挑戦し続けなければなりません。
何度決意しても、何度条件を立てても、繰り返すその罪と堕落性から来る思いに対し、諦めることなく、絶望することなく闘い続けたとき、自分の魂が磨かれ、本来の姿、本来の愛の世界に戻っていく道が開けていきます。さらに子孫のためにも、これ以上過ちを繰り返すことのない未来をつくる出発になるのだと思います。(続く)
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『祝福家庭と神の血統』(光言社刊)