2023.03.04 22:00
制作の舞台裏から 1
「天一国10年の摂理」
絶望の淵から
2022年の安倍晋三元首相の暗殺事件以降、私は絶望の淵にいた。喉から手が出るほど希望を欲していた。
希望を求めて祈るが、その祈りが天に通じているのか分からず、今後、祈る行為そのものができなくなるのではないかという恐怖心すら抱いた。心のよりどころを求めて、毎日SNSやYouTubeをあさって肯定的な意見を無理やり探し出し、自分自身を納得させようと必死だった。
寝床に就くと「解散」という二文字が脳裏をよぎり、将来の不安で頭がいっぱいになった。黒く濁った恐怖心が私を覆い、遅くまで眠りにつくことができない日があった。
光言社U-ONE TVには天暦の年末特番があり、今年は「天一国10年の摂理」という番組を制作した。数年前から筆者が制作を担当している。
制作に関して私は当初、消極的だった。正直に言って、今年は何を扱えばいいのか分からなかった。視聴者に希望を伝えたいのだが自分の中で確たる希望を見いだせずにいたのだ。
なんでもかんでも批判的に報道するマスコミや反対派の餌食になるのではないかと考えたが、話し合いの末、「少しでも見せるものがあるなら」と、制作が決まった。
台本を書くための材料を探す中、一つのみ言が心に残った。
真のお母様が、真のお父様の聖和直後を振り返って、「始まりは私一人でしたが、今は皆さんがいるので、私は頑張ります」(2022年11月17日)と語られたものだ。
お父様の聖和当時、誰よりも悲しかったはずのお母様は「中断なき前進」を宣言され、悲しむ私たちを励まし、背中を押してくださった。
あれから10年、今度も、絶望の淵にいるような“私たち”がいるから頑張ると語り、ほほ笑まれた。私は絶望の淵から引き上げられたような気がした。
それからは迷うことがなくなった。台本を書き、映像をつなぎ、音を乗せた。確認のためのプレビューをするたびに込み上げる涙をこらえつつ、心に思った。
「真のお母様がいらっしゃれば、何も問題ない」
(N)